実践!相続税対策
相続人に外国に住んでいる方がいる場合【実践!相続税対策】第626号
2024.01.10
あけましておめでとうございます。
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最近、相続人が外国に住んでいるケースが、結構多くなっています。
何を隠そう私の子ども2人も外国に住んでおり、その時は結構やっかいになるんでないかな、とは思っております。
相続が起こった場合、被相続人の遺産を洗い出し、それをどのように分けるか相続人で話し合った上、遺産分割協議書を作ることになります。
遺産分割協議書には、相続人全員が実印を押印することになります。
その上で、預金の名義変更や解約、不動産の相続登記をする際には、全員の印鑑証明書や不動産を取得する人の住民票が必要になってきます。
外国に住んでいる方の場合は、この印鑑証明書や住民票がありません。
そこで印鑑証明書の代わりに、署名(サイン)証明を受ける必要があります。
また、住民票の代わりには、在留証明を取ることになります。
署名証明は、遺産分割協議書を住んでいるところの在外公館(大使館や領事館)に持参し、係の人の前で署名することにより、証明書をもらうことができます。
在留証明も、在外公館で入手することができますが、様々な書類が必要になることがあり、あらかじめ確認準備していく必要があります。
金融機関の手続きには、それぞれ所定の書類があり、それに署名証明を受ける必要があったり、本人確認のために在留証明が必要だったりします。
これは金融機関によって、いろいろと違うようですのでそれぞれ確認する必要があります。
いずれにしても、外国に住んでいる方がいる場合は、手続きはかなり厄介になりそうです。
そこでこれを少しでも楽に行うために、遺言書を作っておく、そこに遺言執行者を定めておく、というのも1つの方法です。
遺言書があれば、遺産分割協議書を作る必要はなく、そうなると印鑑証明書を用意する必要もなくなります。
また、遺言執行者がいれば、遺言執行者の印鑑で様々な手続きを進めていくことができます。
外国に住んでいる方がいる場合、相続対策として、どのように財産を分けるか、どういう手続きが必要になりそうか、なども考えておくと良いかと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
年末の税制改正大綱では、相続税関連に関しては、ほとんど改正がなかったですね。今年から始まるものに贈与税制度や、マンション評価の改正などがありますので、それが結構インパクトがあるので、今年は少し控えたのかなとも思いますが。
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