実践!相続税対策
財産債務調書大丈夫ですか?【実践!相続税対策】第639号
2024.04.10
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
財産債務調書制度というのは、ご存知でしょうか?
一定金額以上の財産や所得がある方は、この財産債務調書を提出しなければならない制度です。
本来はこの調書を出さなければならないのに、出していない方が結構いるのではないか、と思います。
財産債務調書を提出する必要がある方は、次のような方です。
・所得が2,000万円超で、財産が3億円以上ある方
・所得が2,000万円超で、国外転出特例対象財産が1億円以上である方
・財産が10億円以上ある方
財産の額は、いずれも12月31日時点における額です。
これらの財産価額は、時価または見積価額によることになりますが、相続税評価額や不動産は固定資産税評価額によることもできます。
財産は、3億円以上もないから大丈夫、と思っていても、国外転出特例対象財産1億円以上、というのに引っかかる方もいるのではないでしょうか?
この国外転出特例対象財産とは、有価証券などのことです。
資産運用で所有している上場株式や投資信託、デリバティブ、そして自社株なども含まれます。
これらの合計が1億円を超えて、所得が2,000万円超あると財産債務調書を提出しなければいけなくなります。
経営者の方などは、超えてしまう方がかなりいるのでは?と思います。
では、この財産債務調書を提出しないとどうなるのか、ということです。
この調書が提出されている場合、税務調査等により所得税や相続税の申告漏れなどがあった際に、過少申告加算税等が5%軽減されます。
逆に提出がない場合は、過少申告加算税等が5%過重されてしまいます。
ちょっとしたミスの申告であっても加重されてしまいますので、軽視できませんね。
この財産債務調書の提出期限ですが、以前は確定申告と同時の3月15日まででしたが、令和6年提出分より、6月30日までの期限に改正になっております。
令和5年分の提出は、まだ間に合いますね。
また、財産が10億円以上の場合は、所得が2,000万円未満であっても財産債務調書の提出が令和5年分からは必要となっていますので、ご注意ください。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
先週4月4日、相続セミナーを行いました。ご参加いただきました皆様ありがとうございます。多くのご相談や質問をいただき、弊社資産税部全員で対応しましたが、何とか時間内に対応ができホッとしております。
今後もご相談やご質問等、お気軽にいただければ幸いです。
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