実践!相続税対策
養子縁組で相続対策 第1回:メリットについて【実践!相続税対策】第641号
2024.04.24
皆様、おはようございます。
東京メトロポリタン税理士法人の太田遼です。
本日より、本メルマガの執筆メンバーに加わりましたので、よろしくお願い申し上げます。
相続税額が多額になるため、何かしらの対策をしたいと考えてらっしゃる方は、多数いるかと思います。
そんな中で、よく皆さんは「養子縁組を行うと相続税が安くなる」、「相続税対策として養子縁組が有効らしい」といった話を聞いたことがある方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、本日より数回に分けて、相続税の節税対策の1つとしてよく挙げられる「養子縁組」について、そのメリットとデメリットなどを、解説してまいります。
【メリット】
養子縁組で相続人が増えると…
・相続税の基礎控除額が上がる
・生命保険金の非課税枠が増加する
・死亡退職金の非課税枠が増加する
・相続税率が低くなる
・相続人以外に財産を遺すことが可能になる
【デメリット】⇒ 5月29日に解説いたします。
・「孫を養子」にした場合は、相続税が2割増しされてしまう
・苗字が変わる(ただし、婚姻により苗字を変えている場合は、変わらない)
【注意点】⇒ 7月3日に解説いたします。
・法定相続人として認められる養子の数には限りがある
・遺産分割協議が煩雑になってしまう可能性がある
・露骨な「相続対策のための養子」は否認されてしまう可能性がある
それでは、まず初めに「養子縁組」を行うことによるメリットについて解説していきます。
◆メリット1:相続税の基礎控除額が上がる
相続税の基礎控除額は、次の計算式で計算します。
「3,000万円+600万円×法定相続人の数」
養子を迎え入れることで、この法定相続人の数が増え、基礎控除額を増やすことができます。
◆メリット2:生命保険金の非課税枠が増加する
相続税では生命保険金の受け取りがある際、その生命保険金について、次の額まで課税されない非課税枠が存在しています。
「500万円×法定相続人の数」
養子を迎え入れ法定相続人が増えることで、この非課税枠を増やすことができます。
◆メリット3:死亡退職金の非課税枠が増加する
相続税では死亡退職金の受け取りがある際、2と同様に次の非課税枠が存在しています。
「500万円×法定相続人の数」
養子を迎え入れ法定相続人が増えることで、この非課税枠を増やすことができます。
◆メリット4:相続税率が低くなる
相続税の計算は、遺産を法定相続人が法定相続分で分割したものとして計算した相続税の総額が基になります。
したがって、法定相続人が増えることにより、1人当たりの遺産額が減り、累進税率が下がる可能性があります。
◆メリット5:相続人以外に財産を遺すことが可能になる
相続は本来、配偶者や子供などの法定相続人に遺産を継承するのが通常です。
ただ、この決められた相続人以外に、遺産を継承させたい相手がいる場合、その相手と養子縁組を行うことで、法定相続人になることができ、遺産を継承させることが可能となります。
以上、本日はメリットのみご紹介しましたが、これらのメリットを活かせるようであれば、養子縁組を考えてみるのもよいですね。
ただし、次回以降のデメリット、注意点なども十分検討する必要がありますので、是非、またお読みいただければと思います。
《担当:資産税部 太田 遼》
編集後記
4月1日に入社した太田遼と申します。
相続税に関する耳寄りな情報を皆様にお届けできるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
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