実践!相続税対策
思わぬ売却益が出てしまった場合【実践!相続税対策】第643号
2024.05.08
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
マイホームを売却したときには、3,000万円特別控除や買換え特例などがありますが、それ以外の不動産の場合は、あまりそういった特例がありません。
賃貸用不動産などの事業用資産を売却した場合は、事業用の買換え特例がありますが、買換える土地の広さが、300m2以上ないと、適用を受けられないため、これも使い勝手が悪くなっています。
そこで、マイホーム以外の不動産の売却で、思わぬ利益が出てしまった場合の税金対策として、含み損のある不動産があれば、それを同じ年に売却する、という方法があります。
同じ年てあれば、売却益と売却損が相殺されて、売却益を減らすこと、あるいはなくすことができます。
この場合、できるだけ売却損が多い方が節税になるし、本来は売りたくない物件ということで、身内に低い価格で売却して、使い続けようとする例などもあります。
売却先が身内だとしても、売却損が出れば、それは売却益と通算することができます。
身内とは親族や経営する同族会社などです。
ただし、この場合には売却価格に注意する必要があります。
売却先が法人の場合は、時価の1/2未満で売却すると、時価で売却したものとして課税されてしまいます。
法人の方も時価より低い部分は、受贈益として法人税が課されてしまいます。
では、時価よりも低いが1/2以上で売却すれば良いかというと、売却した個人は売却価格で課税されますが、法人の方はやはり受贈益課税の対象になってしまいます。
個人間の売却の場合は、時価の1/2未満で売却した場合には、その売却損はなかったものとされてしまいます。
すなわち、売却益とは通算できなくなってしまいます。
また、時価よりも低い価格で譲渡を受けた方も、贈与とみなされる可能性があります。
このように、売却益と売却損を通算することはできるのですが、その際には売却価格には注意しなければいけない、ということですね。
第三者間の取引であれば、まず問題はないと思いますが。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
GW皆様いかがお過ごしでしたでしょうか?
後半は天気も良く、良いGWが過ごせたのではないでしょうか。
連休が長いと普段のペースを取り戻すのに苦労することもありますね。これだけ休んだのに、却って体がだるいなんてこともありますし。こんな時はいつもよりちょっと負荷を上げて仕事に没頭したりすると、調子が戻ってくるような気がしますね。
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