実践!相続税対策
通帳や取引明細を確認する理由【実践!相続税対策】第654号
2024.07.24
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
相続税の申告が必要な場合、相続人には申告に必要な書類の収集をお願いしています。
被相続人の財産を証明する書類には、不動産登記簿謄本、金融機関の残高証明書、その他収入や債務に関する書類など、財産が多ければ多いほど、書類も多くなります。
申告が必要な場合、ほとんどの方に求められるのは、金融機関の残高証明書=亡くなった日の残高を証明する書類です。
これと合わせて、通帳も確認します。これは、過去5年から10年間は確認したいですね。
通帳を確認する理由としては、生前贈与の有無を確認したり、相続人が把握していない財産や債務がないかを確認するためでもあります。
不透明な資金移動などで、不正が判明したりする場合もあります。
贈与は、受贈者1人あたり年間110万円までは、贈与税の申告は必要ありません。
ただし、その後相続が発生した場合には、110万円以下の贈与であっても、一定期間に行ったものは、相続財産に加算するというルールがあります。
これは、贈与税の申告書を提出していない場合も対象となります。
生前贈与を加算する期間は、令和6年以降の相続から、相続開始の年に応じて、相続開始前3年から7年へと、段階的に加算期間が延びていきます。
ただ、過去の通帳をすべて所有していたとしても、中を確認してみると、取引件数がまとめて「合算」と印字されていることも多くあります。
記帳していない間に、取引が一定件数以上ある場合や、記帳を一定期間行っていなかった場合には、取引がまとめて記帳されてしまいます。
この場合は、内容が確認できないため、合算部分の取引明細を金融期間で取得していただくことになります。
通帳がない場合にも、取引明細を発行していただきます。
最近は、Eco通帳や通帳レスなど、通帳の発行が減ってきています。
インターネットで管理されている方は、暗証番号などを本人以外の方が知っていることはあまりないと思いますので、今後は取引明細を取得していただくことも増えてくるかと思います。
税理士から通帳や取引明細の取得を依頼された場合は、相続税の申告には必要であること、場合によっては、相続人の通帳確認も行う必要もあることを、是非、ご理解いただければと思います。
《担当:税理士 宮田 雅世》
編集後記
連日猛暑が続いていますね。
去年に引き続き、エアコンが今年は2台壊れましたが、なんとか間に合いました!
現在フル稼働です。
皆様、体調にはくれぐれもご留意ください。
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