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実践!相続税対策

相続人名義の通帳でも相続財産になることがあるの?【実践!相続税対策】第660号

相続人名義の通帳でも相続財産になることがあるの?【実践!相続税対策】第660号

2024.09.11

皆様、おはようございます。
資産税部の太田遼です。

相続人の方とお話をしていると、たまに
「亡くなった母(父)の遺産を整理していたら私名義の預金通帳が出てきたのですが…」といったお話を聞くことがあります。

そうなると気になってくるのが、実際のお金の所有者と通帳の名義が異なる預金通帳が、相続財産に該当するのかどうか、といったところだと思います。

結論、こうした預金通帳は「名義預金」と呼ばれており、相続税の課税対象となってきます。

よくあるケースとして、祖父母や両親が孫や子名義の口座を作って預金したり、専業主婦(夫)が配偶者の収入を自身の名義で預金していたりする事例が挙げられます。

それでは、具体的にどういった預金通帳が「名義預金」と判断されるのでしょうか。

確立した判断基準はないものの、次のような要素を総合的に考慮して判断することが多いため、その内容を列挙してみました。

(1)財産(預金)の資金源はどこなのか

預金の残高を形成した資金が、被相続人によるものであった場合は、名義預金と判断されるケースが多いです。

この場合、たとえ口座名義が子や孫の名義となっていたとしても、被相続人の財産によって形成された預金は、「被相続人の財産(相続財産)」とみなされます。

(2)生前贈与に該当するものなのかどうか

被相続人が口座名義の異なる者に対し、適切な生前贈与を行っていれば、名義預金とみなされることはありません。

しかし、相続人が預金の存在を知らなかったり、現金を手渡しなどで贈与する、といった証拠が残らないような方法で贈与していた場合は、名義預金と疑われる可能性があります。

(3)預金口座は誰が管理していたのか

被相続人が通帳や印鑑を管理している場合は、名義預金としてみなされます。

これは名義人でない人(贈与者)が、その口座の通帳や印鑑、キャッシュカードを所持し、名義人(受贈者)はその口座の存在を知らないような場合です。

このような状況では、その口座は名義人(受贈者)のものであるとはいえないためです。

そのため、預金口座を利用するための通帳や印鑑を被相続人が管理していような場合は、「被相続人の財産(相続財産)」であると判断されてしまいます。

(4)預金口座による利益は誰が得ていたのか

預金口座の利息や配当を被相続人が受け取っていた場合は、名義預金とみなされるケースがあります。

これは、利益を受け取ることが、(3)に記載しているような預金口座の管理・運用を、被相続人が行っていたと考えられてしまうためです。

以上、相続人名義の通帳でも相続財産になることがあることを、お伝えさせていただきました。

こうした名義預金についてですが、認知度があまり高くないことから、名義預金に相続税がかかってくることもあまり知られていません。

そのため、この名義預金を含めずに相続税申告を行ってしまったといった事例も後を絶ちません。

もし、申告後に相続税の調査で指摘を受けた場合は、過少申告加算税などのペナルティが課せられてしまうことがあります。

こうしたペナルティを回避するためにも、「この通帳はもしかしたら名義預金に該当するかもしれない。」と不安に思うところがございましたら、まずは申告を行う税理士にご相談いただければと思います。

《担当:資産税部 太田 遼》

編集後記

とうとう9月に突入し、今年もあと4ヵ月をきりましたね。
暑さも和らぎいろいろなものが美味しく感じるこの季節、今年は事務所の方たちと秋の味覚でも楽しめればなぁと思っております。

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