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実践!相続税対策

相続直前の不動産購入【実践!相続税対策】第662号

相続直前の不動産購入【実践!相続税対策】第662号

2024.09.25

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

相続直前に不動産(マンション一室)を購入した場合、相続税の節税効果は、やはりあるのだろうか、ということをよく聞かれます。

今年、2024年以降の相続・贈与からは、マンション評価が改正になり、評価が上がることになりました。

また、その改正のきっかけともなった2022年の最高裁判決では、相続直前に購入したマンションの評価において、通常の路線価評価で申告したにもかかわらず、行き過ぎた節税行為があったとして、否認された事例がありました。

さらに、その前には相続開始前3年以内に、新たに賃貸を始めた不動産は、小規模宅地の評価減(50%)を適用できない、という改正もありました。

このように相続開始直前の不動産購入による節税対策に関しては、様々な制約が設けられています。

ただ、まったく効果がないかというと、そうではありません。

現預金で資産を持っているよりも、それで不動産を購入した方が、相続財産の評価額は下がります。

土地は都市部では路線価で評価されますが、これは公示価格の80%を目安としています。さらに昨今の不動産価格の高騰でそれ以上の差があります。

建物も固定資産税評価で評価されますが、これも建築価格の50%程度ではないでしょうか。

手持ちの1億円で不動産を購入しただけで、その評価額は、6千万円とか7千万円に落ちるわけです。

2024年からマンション評価が上がったといっても、これはおおよその時価を求め、その6割水準まで評価を引き上げるものですから、やはり時価よりは低くなります。

今までマンション一室の評価は、時価の40%程度であったため、これを是正したに過ぎません。

ただし、相続直前の不動産購入を単なる節税目的で行った場合には、否認される危険性があります。

特に、購入者の判断能力があったのかどうか、本人の意志で不動産を購入したのか、ということは重要です。

不動産会社や司法書士などにも、直接意志を確認してもらい、署名押印なども本人がすることが大事です。

また、その不動産をなぜ購入するのか、どのように利用するのかなどの目的も問われます。

このような段取りを踏んだ上での不動産購入であれば、結果的に相続税対策にもつながっていくのではないでしょうか。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

昨日くらいから急に涼しくなりましたね。
この位であれば、スーツの上着を着ててもまったく暑くはなく、気持ちのいい気候ですね。
このまま暑さがぶり返さなければいいのですが。

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