実践!相続税対策
父の借地に子が建物を建てた場合【実践!相続税対策】第667号
2024.10.30
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
先日あったご相談で、次のようなものがありました。
父親が亡くなって、相続税の申告が必要かどうか検討している長男からの相談です。
父親と長男家族は同居していたが、その建物は長男名義で長男が建てたものである。
ただし、土地は借地で父親が地主と借地契約をしていた。以前は父親の建物が建っていたが、同居するにあたり、長男が建て替えたとのこと。
地主さんは隣に住んでおり、もちろん建て替えも承諾しているが、借地契約はそのままになっているとのことです。
そこで、相続税の申告にあたり、父親の借地権は計上しなくてよいか、という相談です。
もちろん、長男は家を建て替えるにあたって、父親に借地権の譲渡代金などは払っていません。
地代も継続して父親が払っていたようです。
このように、借地権者以外の人が家を建て替える場合、借地権者の名前が登記上消えてしまうため、借地権は誰が持っているのか、ということが問題になります。
借地権はあくまで父親が持っており、子はそれを使用貸借(無償で借りている)しているに過ぎない、ということであれば、借地権は父親が継続して持っていることになります。
この場合には、それを明確にするために、税務署に、「借地権の使用貸借に関する確認書」を提出する必要があります。
この確認書の提出がない場合は、子に借地権が贈与されたものとみなされ、子に贈与税がかかってくることになります。
借地権価額は、土地の価額の60%~70%になることが多いですので多額の贈与税がかかってくる可能性があります。
今回の場合、この確認書は出されていないようですが、借地契約もお父様のままで、地代もお父様が払っているとのことで、借地権は実質的にお父様が保有している状況かと思われます。
今から確認書を出すかどうかは別として、やはり借地権は相続税の申告に入れるべきではないかと思われます。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
贈与税の時効は6年ですので、それを過ぎていれば借地権の贈与とみなされたとしても、申告をする必要はありません。
ただ、今回のケースは建築してからまだ6年以内のようですので時効にはなりません。
借地権の問題は結構厄介なことが多いので、気を付けないといけないですね。
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