実践!相続税対策
小規模宅地特例、建物の所有者は?【実践!相続税対策】第672号
2024.12.04
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
居住用の小規模宅地特例について、下記のようなご相談がありました。
なお、居住用の小規模宅地特例とは、亡くなられた方の住んでいた自宅敷地に関して、条件を満たせば330m2まで80%評価減できる、というものです。
ご相談は次のような内容です。
父親が住んでいる家は、土地は父親が100%持っているが、建物は父親と長男が1/2ずつお金を出して建てたものだそうです。
ただ、長男は同居はしておらず、その家には次女が同居しているとのこと。
この状況で、次女がその土地を相続した場合、父親は建物を1/2しか持っていないので、小規模宅地特例の適用を受けられるのは1/2になるのか、ということです。
答えとしては、父親の土地すべてについて、小規模宅地特例の対象になります。
建物の所有者は、親族が所有していれば、小規模宅地特例の対象になります。
ただし、長男に対して家賃を支払っている(賃貸借)と対象にならなくなるので、要注意です。
また、もう1つの質問として、次女が相続を放棄した場合は、長男は家なき子として小規模宅地特例を受けられるか、ということでした。
長男は、数年前に自宅を売却して現在は賃貸マンションに住んでいるとのこと。
答えとしては、長男は小規模宅地特例を受けられない、ということです。
通称家なき子として小規模宅地特例を受けられるのは、本人が自宅を持っていないなどの他、被相続人に配偶者がいないこと、同居している相続人がいないこと、という要件があります。
次女は相続を放棄して相続人ではなくなったとしても、小規模宅地特例の適用上は、その放棄がなかったものとすることになっています。
したがって、上記の場合には長男は家なき子として小規模宅地特例の適用を受けることはできないこととなります。
以上、小規模宅地特例にはいろいろご質問が多いですね。
適用できるかできないかは、相続税にものすごく大きな影響がありますので、是非、皆様もご自分やご家族の状況を確認してみてください。
その上で、この特例が適用できるように、条件を満たしておくことは、重要な相続税対策になります。
ご不明な点は是非、ご相談ください。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
12月に入りましたが、ずい分暖かいですね。
昼間はコートはいらない感じですが、朝もコートを着て歩いていると暑くなるくらいです。ただ、週末位からは寒くなるとのことで、ようやく年の瀬らしくなっていくのですかね。
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