実践!相続税対策
従業員が死亡した場合の給与の扱い【実践!相続税対策】第677号
2025.01.15
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
滅多にないことではありますが、勤務していた従業員が亡くなる、ということがあります。
その際、給与に対する税金はどうなるのか、という質問を受けることがあります。
たとえば、給与が月末締め翌月15日払いであった場合に、10日に亡くなった場合はどうでしょうか。
15日の支給日前に亡くなってしまったので、所得税などは控除するのか、誰に支払うのか迷うところです。
所得税に関しては支給日を基準に判断します。
亡くなった後に支給日が到来する給与は、相続税の対象になりますので、所得税は源泉徴収しません。
また、支払先は相続人に確認して、相続人に支払うことになります。
締め後の給与(1日から10日まで)の給与も、当然、支給日は亡くなった後ですので、所得税を控除しません。
また、亡くなられた場合には、それまでの給与で年末調整をすることになります。
その中には上記の相続税の対象になる給与は含めません。
年末調整後の源泉徴収票を相続人に発行して、相続人が準確定申告を4か月以内に行うことになります。
給与から控除していた住民税は、どうするのでしょうか?
これは亡くなった時期によって、取り扱いが変わってきます。
12月以前に亡くなった場合は、その月の住民税だけを控除して、残額は相続人に請求されることになります。
ただし、1月以降に亡くなった場合は5月分までの残額を一括で控除して納付することができます。
住民税は、1月1日に住所がある市区町村から、前年の所得に基づいて課税されます。
したがって、1月以降に亡くなった場合は、住民税が相続人にかかってくることになります。
12月以前に亡くなった場合は、翌年の住民税はかからない、ということになります。
社会保険については、亡くなった月の前月分までの社会保険料を納める必要がありますので、前月分を当月に控除している場合は、控除する必要があります。
以上、払う方ももらう方も、滅多にないことではありますが、基礎知識がちょっと頭に入っていると、慌てないで済むかと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
お正月に1日だけ雨がありましたが、後は本当にいい天気の日が続きますね。ただ非常に乾燥していますので要注意です。先日目が痛くて眼科にいったところ、どうも乾燥が原因だったようです。目薬を多くさすようにしたら治って
きました。いろいろなところに影響が出ているかも知れませんね。
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