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転業した際の小規模宅地等の特例について【実践!相続税対策】第686号

転業した際の小規模宅地等の特例について【実践!相続税対策】第686号

2025.03.19

皆様、おはようございます。
資産税部の太田遼です。

先日、親とは違う事業を行った際に「特定事業用宅地等」として小規模宅地等の特例を適用できるのか、といったご相談をいただきました。

特定事業用宅地等の小規模宅地等の特例とは、被相続人の事業用の敷地を相続した者が、相続税の申告期限まで保有し、かつその事業を継続することで、敷地の評価を400m2まで80%減額することができる特例です。

「被相続人の事業を継続する」ことが適用要件であるにも関わらず、親とは違う事業を子が行った場合、小規模宅地等の特例は適用できるのか、といったご質問です。

まず初めに、被相続人の事業の一部を転業した場合を確認してみましょう。

実は、事業の一部を転業した場合でも、事業の継続性が認められると通達に定められているため、小規模宅地等の特例を適用することができます。

この場合、被相続人の事業と、転業後の事業の双方を相続税の申告期限まで営んでいる場合には、転業部分に係る敷地を含めて、全体を特定事業用宅地等として扱うことができます。

では、被相続人が営んでいた事業の全てを転業した場合はどうなるのでしょうか。

そのような全部転業を行った場合は、転業した業態が、被相続人が営んでいた事業の業態と同一であると認められるかどうか、判断を行う必要があります。

この判断は、日本標準産業分類等により行うことができます。

転業前と後の事業の同一性や、継続性を総合的に判断することで、小規模宅地等の特例が適用できるかどうかを確認をすることになります。

例として、下記のような業態同士の事業の転業であれば、小規模宅地等の特例を適用することができますので、参考にしていただければと思います。

・魚屋 → スーパー(魚の取り扱いあり)
・公認会計士(税理士業務がメイン)→ 税理士
・医師(内科)→ 医師(耳鼻科)

逆に、下記のような業態同士の転業は、事業の同一性が認められないため、小規模宅地等の特例を適用できないことになります。

・魚屋 → スーパー(魚の取り扱いなし)
・弁護士 → 税理士
・医師 → 歯科医師
・駐車場賃貸 → 賃貸アパート

以上のとおり、事業の同一性については、日本標準産業分類等を総合勘案するため、適用可否の判断は難しくなります。

そのため、もし相続の際、引き継ぐ事業を変えたいけれども、土地の評価減はしたい、といった方は是非、専門家に相談することをお勧めします。

《担当:資産税部 太田 遼》

編集後記

とうとう3月も中旬となり、花粉が蔓延る季節となってきましたね。
私はちょうど2週間ほど前から涙と鼻水が止まらず苦しんでおりますが、皆様は如何でしょうか。
そのせいか大好きな食事もにおいと味を感じにくくなっているため早くこの時期は過ぎ去ってほしいと思うのみです...。

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