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法人に株式を売却する価格【実践!事業承継・自社株対策】第101号

法人に株式を売却する価格【実践!事業承継・自社株対策】第101号

2022.05.26

Q 私は、自分の会社の筆頭株主ですが、株式は20%しか保有していません。
すなわち、当社は同族株主(30%以上)のいない会社です。この場合15%未満になれば、相続税の評価は、配当還元価格でよいとのこと。

そこで、提携する友人の会社に6%程度を売却しようと思いますが、この場合の売却価格は配当還元価格でよいのでしょうか?

A 結論から言えば、配当還元価格ではなく、原則的評価方法(純資産価額や類似業種比準価額)により評価した額で、売却する必要があります。

法人に株式を売却する場合の価格は、所得税基本通達59-6を参照します。

同通達によると、その価格は相続税の財産評価基本通達により、算定した価格とされています。
この場合は、持株比率(議決権比率)によって、評価方法が決まってきます。

御社は、同族株主のいない会社とのことですが、この場合は、15%以上を持っていれば、原則的評価方法により評価することになっています。

この15%以上がどうかについては、譲渡前の持株比率で判断することが、近年の通達改正で明確にされています。

したがって、ご質問者の場合は、譲渡前に20%持っているということで、原則的評価方法で評価した額で、売却する必要があるということになります。

なお、この場合に、純資産価額で評価するにあたっては、土地と上場有価証券については、売却時の時価により評価する必要があります。

また、簿価と相続税評価にプラスの評価差額が出た場合でも、法人税相当額を控除することはできません。

法人に非上場株式を譲渡する場合には、その価額の計算に、十分注意する必要があります。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

本文にも書きましたように法人に株式を売却する価格には充分注意しなければいけません。

というのも、法人に時価の1/2未満の価格で売却した場合には、時価で売却したものとみなされてしまうからです。
そうなると、個人には時価による譲渡所得課税、法人には、安く買ったということで受贈益課税が行われてしまいます。
ダブルで課税されてしまう、ということですね。
是非、注意して欲しいところです。

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