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土地保有特定会社とグループ法人税制【実践!事業承継・自社株対策】第111号

土地保有特定会社とグループ法人税制【実践!事業承継・自社株対策】第111号

2022.08.04

Q 当社は、株式の相続税評価上、大会社に該当する会社です。ただ、土地を多く所有し、その相続税評価額が高くなっているため、土地保有特定会社に該当してしまいます。
そこで、100%子会社にグループ法人税制により土地を譲渡して土地保有特定会社から外れようと考えていますが可能でしょうか?

A 可能ですが、注意が必要です。
土地保有特定会社とは、相続税評価額による総資産価額のうちに、土地等の占める割合が一定率以上を超えた会社です。

この場合は、株式の相続税評価においては、類似業種比準価額を使うことはできず、純資産価額で評価することになります。

そのため、評価額が高くなってしまうことが多いでしょう。

土地保有特定会社に該当する土地等の占める割合ですが、会社規模により次のようになっています。

・大会社 70%以上
・中会社 90%以上
・小会社
簿価による総資産価額が、大会社の規模 70%以上
   同          中会社の規模 90%以上
それ以外 土地保有特定会社の対象外

なお、土地等には借地権などが含まれますが、建物は含まれません。

ご質問のグループ法人税制を使った場合は、100%子会社に対し低額譲渡であった場合でも、課税関係が生じません。

本来であれば、親会社の方では寄附金となり損金不算入が発生し、子会社の方は受贈益課税となります。

グループ法人税制の要件に該当した場合は、この課税が繰延べられますので、簿価等で譲渡することも可能になってきます。
グループ法人税制に該当するためには、法人による完全支配関係がある場合に限られます。

なお、合理的な理由もなく評価会社の資産構成に変動があった場合は、その変動はなかったものとして、土地保有特定会社の判定を行うことになっていますので、注意が必要です。

単なる株式評価の引下げ目的では、否認される可能性が高く、慎重に検討する必要があるのではないでしょうか。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

上記はいわゆる「土地特はずし」と言われているものです。
その他にも方法は、いろいろ考えられますが、いずれにせよ合理的な目的の中で行う必要があります。特に直後に贈与を行う場合などは、余程注意しなければならないですね。
「株特はずし」も同様です。

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