実践!事業承継・自社株対策
同族株主のいない会社の株式評価2【実践!事業承継・自社株対策】第119号
2022.09.29
Q 先週の質問の続きです。再度説明しますと、私が代表を務める当社は、私の親族で25%の株式を保有しており、それが筆頭株主グループです。
私は10%の株式を持っています。
私の弟は、現在3%(議決権割合)の株式を保有していますが、弟が相続や贈与で株式を取得した場合の株式の評価方法は、配当還元方式になるのでしょうか?
A 御社は、同族で30%以上の株式を保有するグループがいないため、同族株主のいない会社、となります。
同族株主がいない会社で、15%以上を保有する株主グループがいる場合は、それ以外の株主については、配当還元方式で評価することは、先週お話しました。
弟さんは、15%以上を保有する株主グループに入ります。
ただし、現在は単独で5%未満となっております。
この場合は、中心的な株主がいるかいないかで、評価方法が変わってきます。
中心的な株主とは、15%以上を保有する株主グループの中で、単独で10%以上を保有する株主です。
これには、ご質問者が該当しており、中心的な株主がいることになります。
この場合には、5%未満の株主は、役員または役員予定者でない限り、配当還元方式によることができます。
なお、5%未満であるかどうかは、相続や贈与で弟さんが株式を取得した後の株式数で、判定することになります。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
前回および今回のQ&Aは、ちょっとわかりにくかったかも知れません。
非上場株式の評価方法は、個人および同族の議決権割合によって、変わってきますが、いろいろな要素があります。
フローチャートや図で見た方が、わかりやすいかと思います。親族に株式が分散している、親族外の人もいる、など判定がわかりにくい場合は、是非、ご相談いただければと思います。
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