実践!事業承継・自社株対策
相続で分割が済んでいない株式の議決権割合の取り扱い【実践!事業承継・自社株対策】第134号
2023.01.19
Q 父は、叔父の会社の株式を8%所有しており、叔父は、残りの92%の株式を所有しております。
この度、父が他界し、私と弟でこの株式を相続することになりました。
ただ、叔父の会社の業績が非常によく、また、今までのお互いの叔父との関係性も相まって、この株式の相続につき、私と弟の意見が一致せず、分割が申告期限までに終わる目途がつきません。
この場合、とりあえず法定相続分で相続したものとして、配当還元方式による評価は可能でしょうか。
A 相続税申告をする時までに、叔父様の会社の株式をご相談者と弟との間で、分割できていない場合は、未分割となっている株式8%分を、それぞれご相談者と弟が、全て相続したものとして計算することになります。このため、評価方式の判定の際、8%を所有していることとなりますから、ご親族で100%所有している会社(同族会社)の株式を5%以上保有していることになります。
そうすると、配当還元方式により評価することはできず、原則的評価方式により評価した上で申告する必要があります。
ただし、分割が終わりましたら、更正の請求をすることは可能です。
当初の税金負担を考えますと、本来は、申告期限までに分割ができることが望ましいといえるでしょう。
《担当:税理士 青木 智美》
編集後記
あけましておめでとうございます。
気が付けば年が明け、日々に追われる毎日です。
私の年越しは、仕事をし続けていたこともあり、気が付いたら年が明けていました。年明けも仕事をしていると、年末というより、ただの月の終わりと変わらないような感じでした。
皆様も国の制度対応ご苦労されているかと思いますが、インボイス制度というのは、本当に厄介なものです。
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