実践!事業承継・自社株対策
兄弟会社を親子関係にすると株価が下がる?【実践!事業承継・自社株対策】第136号
2023.02.03
Q 非上場会社2社を経営していますが、兄弟会社を親子関係にすると、全体の株価が下がるということを聞きましたが、これはどのような理由なのでしょうか?
A 兄弟会社とは、たとえばオーナー経営者が、A社、B社の2社の株式を持っているような状態です。
これを、A社を親会社にしてB社を子会社にする、オーナー経営者はA社の株主のみになる、ということです。
これは株式交換(B社の株式をA社の株式と交換する)などを使って行いますが、これに関しては、2021/12/09(第79号)で書いていますので、そちらをご参照ください。
株価が低くなるのは、たとえば子会社となったB社が高収益で純資産が多い会社で、株価が高いような場合です。
オーナー経営者は、B社の株式をA社を通じて間接的に保有することにより、全体の株価が低くなることがあります。
オーナー経営者が持つA社が、株式評価上の大会社に該当する場合、A社の株式は類似業種比準価額のみで評価することができます。
純資産評価は行わないということです。
そうなると、B社の高収益や純資産が株価に反映されにくくなり、株価が下がるということになります。
ただし、A社が株式保有特定会社に該当する場合には、純資産方式で評価することになりますので、株価は高くなります。
株式保有特定会社とは、総資産額に占める株式の総額の割合が50%以上である会社です。
上記の例でいえば、A社の総資産額のうちに、B社の株式の価額が50%以上であると、A社が大会社であっても純資産方式で評価しなければならなくなります。
なお、このような組織再編を行う場合、単純に株式評価の引下げだけを目的とした行為であると、否認される可能性もありますので、要注意です。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
いよいよ確定申告の時期に入ってきましたね。
先日、確定申告作成のセミナーを行いましたが、国税庁HPの確定申告特集から入ると、電子申告はじめ本当にわかりやすく申告をすることができますね。質問に答えていけば確定申告ができてしまう、というような感じです。こういうのがどんどん進化していくと、確定申告に関する税理士の仕事は非常に少なくなっていくのではと思いますね。
是非、皆様もトライしてみると良いと思います。
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