実践!事業承継・自社株対策
事業承継の補助金とは?【実践!事業承継・自社株対策】第149号
2023.05.18
Q 事業承継の補助金があるとのことですが、どのような補助金ですか?
A 事業承継・引継ぎ補助金というものがあります。
この補助金は、中小企業や小規模事業者の事業承継や、M&A等を支援する補助金です。
支援の対象により、経営革新事業、専門家活用事業、廃業・再チャレンジ事業の3つに分かれています。
経営革新事業は、承継後の取り組みにかかる費用を補助するものです。
親族や従業員が経営を承継する場合に、承継後にかかる費用、たとえば、店舗や事務所の賃借や設備工事にかかる費用、マーケティングの費用など、幅広く対象になっています。
補助率は事業の状況によって、1/2または2/3で、補助上限は600万円~800万円までとなっています。
事業承継だけでなく、会社の経営資源を引き継いで創業した場合、M&Aをした場合なども対象になります。
専門家活用事業は、M&A等にかかる費用を補助するものです。
M&Aには仲介業者の手数料、株式評価等の費用、コンサル費用、デューデリジェンス費用などがかかってきます。
これらの費用が重いため、M&Aが進まないこともありこれを補助するのが目的です。
これも補助率は1/2または2/3で、補助上限は600万円までとなっています。
もう1つの廃業・再チャレンジ事業は、承継時にともなう廃業にかかる費用を補助するものです。
承継できなかった場合、あるいは承継したが一部の事業は廃止する場合などの、解散清算登記、在庫処分、現状回復費用などを補助します。
これも補助率は1/2または2/3ですが、補助上限は150万円までと、他の事業よりは少なくなっています。
これらの補助金を使って、事業承継をスムーズにできるのであれば、是非、活用を検討してはと思います。
なお、この補助金は人気のようで、令和4年度の補正予算による第5次の補助金は、既に申し込みが終わっていますが、その事前説明会は予約が満杯になって締め切られるなどしています。
活用する方は、中小企業庁のサイトなどで、次の補助金情報などを確認してください。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
急に暑くなってきました。水分補給など十分注意した方がいいですね。
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