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納税猶予を継続するために必要な手続き【実践!事業承継・自社株対策】第150号

納税猶予を継続するために必要な手続き【実践!事業承継・自社株対策】第150号

2023.05.25

Q 私は、特例事業承継税制の適用を受けて、令和4年の贈与税申告で、贈与税の納税猶予を受けました。

納税猶予の継続を受けるために、令和5年から届出書類の提出が必要だと説明を受けた記憶があります。

提出漏れがないよう、今一度、必要な届出書類と提出先、提出期限を確認させてください。

A 非上場株式について贈与税の納税猶予を受けた場合、贈与税の申告期限の翌日以後5年を経過する日までは、毎年以下の手続きが必要となります。

●年次報告書の提出

都道府県知事に対して、報告基準日の翌日から3カ月以内に提出する必要があります。

贈与税の場合の報告基準日は、通常3月15日ですので、毎年6月15日が提出期限となります。

●継続届出書の提出

税務署長に対して、報告基準日の翌日から5カ月以内に提出する必要がありますので、通常8月15日が提出期限となります。

なお、5年経過した後は、都道府県知事に対する毎年の年次報告書は不要となりますが、税務署長に対する継続届出書を、3年ごとに提出する必要があります。

この場合の継続届出書は、税務署長に対する提出分であるため、8月15日が期限と思ってしまいますが、正しくは、6月15日が提出期限となりますので、注意が必要です。

当初5年間は、都道府県知事に提出した年次報告書に対して、確認書が発行され、その確認書が税務署長に対する継続届出書の添付書類となっているため、事務処理の関係で5カ月以内とされていると思われます。

5年経過後は、都道府県知事に対する報告が不要となるため、継続届出書の提出期限も前倒しになると覚えておけば、理解しやすいのではないでしょうか。

年次報告書には、毎年の贈与報告基準日以降に取得した会社登記事項証明書の原本をはじめ、複数の添付書類が必要になりますので、提出期限前に慌てないよう計画的に準備を進めてください。

届出書類の作成や添付書類の準備に不安がある場合は、贈与税の申告手続きを行った税理士に相談することを、おすすめいたします。

《担当:税理士 藤井 裕生》

編集後記

今週末は私用で地方に行く予定があり、宿の予約をしたところ、ホテル宿泊料の上昇が著しいことに驚きました。

コロナ禍真っ只中の時期は、大手ビジネスホテルに3,000~5,000円で宿泊できた記憶があるのですが、今同じホテルに泊まろうとすると二万円近くします。

デフレマインドとは別物ですが、一度安いのに慣れると、どうしても負担感が大きく感じてしまいます。
仕事でホテル事業者の苦境を間近に見ていた時期があるため、報われる時が来たのを嬉しく思う反面、お財布に厳しい状況は、なかなか複雑な気持ちです。

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