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事業承継税制の納税猶予が取り消される場合【実践!事業承継・自社株対策】第170号

事業承継税制の納税猶予が取り消される場合【実践!事業承継・自社株対策】第170号

2023.10.13

Q 事業承継税制を適用して贈与税の納税猶予を受ける予定ですが、適用後5年間は代表をやめると納税猶予を打ち切られると聞きましたが、全額納税しなければいけないのですか?
その後は、退任しても大丈夫ですか?
その他、適用後5年間に注意することはありますか?

A ご質問のとおり、事業承継税制適用後、正確には納税猶予にかかる贈与税の申告期限(贈与の翌年3月15日)から5年間は、代表者である必要があります。

代表を退任すると、その時点で納税猶予が打ち切られ、猶予されていた贈与税の全額および利子税を納付しなければなりません。

また、その5年間に対象株式を一部でも譲渡した場合は同様に猶予税額を全額納付しなければならなくなります。

5年を経過すれば、代表を退任しても納税猶予は継続します。

5年経過後に対象株式を譲渡した場合は、譲渡した部分に係る猶予税額および利子税を納付する必要があります。

その他適用後5年間に注意すべきこととしては、次のようなことがあります。

・同族で議決権の過半数を維持していること
・同族の中で後継者が筆頭株主であること
・雇用の平均8割維持要件を満たしていること
 (ただし、理由書を提出することで回避可能)
・資産管理会社にならないこと(5年経過後も)
・減資や準備金の減少をしないこと(5年経過後も)
・後継者の代表権や議決権を制限したり、他の者が黄金株を持たないこと

などです。

取消の事由は、詳細に限定列挙されていますので、十分把握をしておくことが重要です。

《担当:税理士 北岡 修一 》

編集後記

ジャニーズ問題で事業承継税制が出てくるとは、ビックリしましたね。でもこれで事業承継税制やその取消事由などが、一般的に知られることになったのは皮肉な結果ではありますが...。

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