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特例承継計画の提出期限の延長【実践!事業承継・自社株対策】第182号

特例承継計画の提出期限の延長【実践!事業承継・自社株対策】第182号

2024.01.18

Q 私は現在、上場会社に勤務していますが、会社を経営する父から後を継いでくれと、要請を受けています。

その場合は事業承継税制を使いたいと思いますが、まだ決めかねています。事業承継計画の提出期限が延長されたとのことですが、その点も含め注意しておく点を教えてください。

A ご質問のとおり、特例事業承継税制を使うための前提となる特例承継計画の提出期限が、令和6年3月31日から、令和8年3月31日まで2年間延長されます。

ただし、特例事業承継税制の適用期限は、令和9年12月31日までとされており、これは変わりありません。

したがって、令和8年3月31日までに特例事業承継計画を提出した上で、令和9年12月31日までに代表取締役を引き継ぎ、株式の贈与を受ける必要があります。

この期限に関しては、税制改正大綱において「極めて異例の時限措置としていることを踏まえ、今後とも延長を行わない」と明言されているため、延長はないものと考えられます。

また、事業承継税制における後継者の要件として「贈与の日まで引き続き3年以上を会社の役員であること」が求められております。

令和9年12月31日までに株式の贈与を受けなければいけないことを考えると、遅くとも令和6年中には役員に就任しておく必要があります。

計画の提出期限が2年間延長になったといっても、引き継ぐかどうかの意思決定は、あまり猶予がありませんので、ご注意ください。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

事業承継計画の提出期限は、コロナの影響や急激な物価高騰等による経営環境の変化を理由として、延長されたようです。

事業承継計画の提出件数も近年は減少傾向にあったことも理由かと思います。
集中期間を設けることによって、中小企業の事業承継を急速に進めようということですね。それだけ、中小企業の事業承継が進んでいないことに対する危機感があるのかと思います。

該当する会社の方は2年間延長されましたので、じっくり考えてみてください。(本文の内容には反しますが。(笑))

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