実践!事業承継・自社株対策
資産管理会社に該当してしまった場合【実践!事業承継・自社株対策】第189号
2024.03.07
Q 事業承継税制を使おうと考えていますが、資産管理会社である場合は、対象にならないとのことです。
これは、事業承継税制を最初に適用するときだけでなく、常にそうなのでしょうか?
また、資産管理会社に該当してしまった場合は、すぐに納税猶予は取り消されるのでしょうか?
A ご質問のとおり、資産管理会社に該当する場合は、事業承継税制の適用を受けることができません。
また、一旦適用を受けた場合でも、その後資産管理会社に該当すれば、納税猶予が取り消されることになります。
これは、経営承継期間である5年間だけでなく、納税猶予を受けている期間すべてについて適用されます。
資産管理会社に該当する可能性のある会社は、常にチェックをしておくことが重要です。
なお、資産管理会社に該当したからといって、即、納税猶予が打ち切りになるとは限りません。
平成31年度の税制改正で、事業活動上やむを得ない事情で資産管理会社に該当した場合は、6か月以内に資産管理会社に該当しなくなれば、納税猶予は継続されることになりました。
資産管理会社には、2つのタイプがあります。
資産保有型会社と資産運用型会社です。
資産保有型会社とは、現預金や有価証券、自社利用していない不動産などの特定資産が、総資産の70%以上を占める会社です。
資産運用型会社とは、総収入の内、上記特定資産の運用収入の割合が、75%以上となる会社です。
詳しくは、2021/04/08(第44号)をご覧ください。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
資産管理会社に該当するかどうか、ギリギリの会社は常に上記%を、月次レベルで常に注意しておかないといけないですね。資産管理会社に該当してしまうと、猶予されている税額だけでなく、利子税も上乗せして
納付しなければならないので、要注意です。
メルマガ【実践!事業承継・自社株対策】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0001685356.html