実践!事業承継・自社株対策
法人株主からの自己株式の買取り【実践!事業承継・自社株対策】第202号
2024.06.06
Q 当社は、社長である私が90%超の株式を所有していますが、10%弱の株式を取引先である法人が所有しています。
この度、その法人の株式を自己株式として買い取ることになりましたが、その買取価格はどのように決めればよいでしょうか?
A 買取価格の参考としては、法人税法上の時価があげられます。
法人の所有する非上場株式の評価額については、法人税法基本通達9-1-14により評価することとなっております。
それによると、非上場株式の評価額については、財産評価基本通達により評価することができます。
同通達によれば、同族株主は、原則的評価方式(類似業種比準価額や純資産価額ベース)、それ以外の少数株主は、特例的評価方式(配当還元方式)によることとなっております。
貴社は、社長であるご質問者が90%超を保有しているとのことで、買取り対象となる法人株主は、少数株主となります。
したがって、その法人株主が持つ株式の評価額は、配当還元方式で行うことになります。
すなわち、売主である法人株主にとってはその価格以上で売却すれば税務上問題ない、ということになります。
また、買主である貴社にとっては、自己株式の取得は、資本取引となるため、これも税務上の問題は生じません。
評価額=買取価格ではありませんが、参考にしていただければと存じます。
《担当:税理士 北岡 修一 》
編集後記
自己株式の買取価格や課税方式については、なかなか難しいものがありますね。個別の状況によっても違うかと思いますので、やはり詳細に専門家に相談するのが良いかと思います。
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