実践!事業承継・自社株対策
法人への不動産の遺贈【実践!事業承継・自社株対策】第206号
2024.07.05
Q 不動産業を経営している者ですが、現在、遺言書の作成を検討しているところです。
私は個人でもアパートを所有していますが、私の相続においては、このアパートも法人の方に遺贈して移そうと考えております。
法人は長男が後継者になる予定ですが、アパートを法人に遺贈した場合、税金はどのようになるのでしょうか?
A 法人に不動産を遺贈した場合、法人には相続税はかかりません。
ただし、法人は不動産を受贈することになりますので、時価で受贈益が計算され、それに法人税がかかってきます。
また、個人(被相続人)の方は、時価で不動産を法人に譲渡したものとみなされ、譲渡所得税がかかってきます。
被相続人は亡くなっておりますので、相続人が準確定申告において譲渡所得税の申告納税をしなければならなくなります。
さらに、法人の方では不動産の遺贈を受けたことで株価が上がることになり、法人の株主はその評価額上昇分を被相続人から遺贈を受けたものとみなされます。
したがって、遺贈を受けたものとみなされた金額に対して、相続税がかかってくることになります。
以上のように、法人への不動産の遺贈は、法人税、所得税、相続税の対象となってきますので、慎重に検討された方がよろしいかと存じます。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
遺言書の作成を検討されている方は多いかと思いますが、財産の分け方によっては、相続税を始め他の税金が思いもよらず、かかってくることもあります。
遺言書の作成のときは、是非、税理士に相談して欲しいと思いますね。
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