実践!事業承継・自社株対策
事業承継税制における中小企業者【実践!事業承継・自社株対策】第237号
2025.02.20
Q:当社は、食料品の小売店を展開する株式会社です。
現在、店舗数は12店舗で従業員は60名在籍しております。
現在、父が代表取締役ですが、来年中には事業承継をする予定で、特例事業承継税制を使おうと思っています。
資本金は7,000万円の中小企業ですが、事業承継税制の中小企業にも該当するのでしょうか?
A:事業承継税制は、中小企業者であることが適用要件の1つとなっております。
ここで言う中小企業者は、中小企業基本法上の中小企業者が基本となっており、政令よりその範囲が拡大されています。
それによると、小売業の場合は、資本金が5,000万円以下であるか、従業員数が50人以下であるか、のいずれかを満たしている必要があります。
貴社の場合は、このいずれをも上回ってしまっているため、中小企業者に該当せず、事業承継税制を適用することができません。
したがって、特例事業承継税制を適用するのであれば、何らかの対策を早急にしなければなりません。
たとえば、資本金基準を満たすには減資が考えられます。
また、店舗や機能ごとに分社して、従業員数を分散して事業承継をしていくことなども考えられます。
持株会社体制にして、事業承継税制を活用することも考えられますが、この場合には持株会社が資産管理会社になり、事業承継税制の適用を受けられない可能性もあります。
ただし、資産管理会社であっても、従業員数が5名以上いるなどの事業実態があれば、事業承継税制を適用することも可能です。
是非、ご検討をいただければと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
事業承継税制における中小企業者は、製造業などの場合は、資本金3億円以下、または従業員数300人以下と、かなり大きな会社まで中小企業者の範囲に入ります。
したがって、多少大きくても中小企業者になると思いきや、業種によっては、法人税の基準などよりも小さくなることがあります。
この辺は十分注意しないといけないですね。
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