実践!事業承継・自社株対策
贈与による事業承継税制を適用するための手続き【実践!事業承継・自社株対策】第240号
2025.03.14
Q:事業承継税制の特例を使って、株式の贈与をこれからしていきます。特例承継計画の確認申請は2年前にしていますが、いよいよ株式の贈与を行います。
その手順とその後の手続きについて、注意点等教えていただけますでしょうか。
A:確認申請は、数枚の事業承継計画の概要を作成するだけでしたので、比較的容易だったかと思います。
ただし、それ以降の実際の贈与、認定申請、贈与税の申告は、かなりハードルが高くなってきます。
まず、贈与をする前に現経営者が代表を退任し、後継者が代表に就任する必要があります。この辺りの社内手続きを、計画的に進める必要があります。
代表者に対しては退職金の計算や、そのための株主総会の決議なども必要になってきます。
その上で、株式の贈与を行うことになります。
株式の贈与数は、一定の計算式がありますので、その株式数以上を贈与しなければなりません。(ここでは、その計算式は割愛します)
次に、第一種特例贈与の認定申請を行います。
第一種特例贈与とは、現経営者から後継者への株式の贈与です。
現経営者からの贈与以後、一定の期間内に行われた現経営者以外の株主からの贈与も、事業承継税制の対象になりますが、これを第二種特例贈与といいます。
認定申請においては、要件を満たすことを証するために、様々な書類を提出する必要があります。
これがかなり大変ですので、十分な準備をしておく必要があるかと思います。
まずは、認定申請書を作成します。
これは9ページに渡るものですので、それなりにボリュームがあります。
認定申請書やその記載例などは、中小企業庁のホームページに掲載されていますので、それをダウンロードしてください。
さらに添付書類を用意する必要がありますが、添付書類には、次のようなものがあります
・定款:原本証明をしたもの
・会社の登記簿謄本
・株主名簿:贈与の前、贈与の時など、いくつかの時点のもの
・贈与契約書
・贈与税の見込額を記載した書類
・従業員数証明書:社会保険の標準報酬月額決定通知書など添付
・贈与前3年間の決算関係書類
決算報告書、法人税の申告書、科目明細書、固定資産台帳等
・会社の賃借物件についての、賃貸借契約書
・会社所有不動産の登記簿謄本
・会社所有不動産の固定資産税の納税通知書
・取引先との請負契約書など
・上場会社等または風俗営業会社のいずれにも該当しない旨の誓約書
・贈与者・受贈者・その他の一定の親族の戸籍謄本等
・特例承継計画または、その確認書の写し
その他にも必要な書類がある場合もあります。
かなりボリュームがありますね。
この認定申請は、贈与した年の10月15日から翌年1月15日までの間に行います。
その後、認定書が送られてきたら、それを添付して贈与税の申告を、3月15日までに行わなければなりません。
この贈与税の申告も、通常の贈与税の申告に比べると、かなり作成する書類の数が多くなります。
また、贈与の場合には相続時精算課税を併用することが多いですので、そのための資料収集や申告書作成が必要になってきます。
実際に株式の贈与をする前後から、かなりの手数がかかってきますので、詳細な計画を立ててに進めていく必要がありますので、ご注意ください。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
いよいよ確定申告も期限が迫ってきました。今年は休日の関係で17日月曜日までになっていますが、できれば今日までに終わらせたいですね。
あと3日は何かあったときの予備と考えておいた方がいいですね。
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