実践!事業承継・自社株対策
退職する社員から自社株を買い取る【実践!事業承継・自社株対策】第48号
2021.05.06
Q:オーナー社長ですが、退職する社員から自社株を買い取る場合の価格について、注意点を教えてください。
A:先週、オーナー社長から社員に自社株を売却する場合の質問がありましたが、それとは逆のケースですね。
これも先週と同様に、個人間で株式を譲渡する場合は、株式の相続税評価額に注意する必要があります。
その際の相続税評価額は、譲渡を受けた側の立場で評価するということでした。
ご質問の場合、譲渡を受けるのは、オーナー社長ということです。
現状でも、オーナー社長の同族株主グループは、議決権割合が30%以上であれば、その相続税評価額は原則的な評価方法により評価します。
すなわち、純資産方式や類似業種比準方式により評価します。
それなりの高い価格になるのではないでしょうか。
社員が購入した価格は、先週紹介した配当還元方式により評価した安い価格かと思います。
買い戻す場合もできれば、その価格で買い戻したいところですが、オーナー社長が購入する場合は、そういうわけにはいきません。
ここが自社株の厄介なところですね。
このような場合は、オーナー社長の同族以外の、社員の方に買い取ってもらうか、会社が自己株式として購入するか、などを考えなければなりません。
あるいは、社員持株会などを作って、このようなケースなどにも対応できるよう、規定を整えていく方法などもあります。
なお、社内規定などを作って、社員が退職する場合の自社株の買取り価格を決めたとしても、オーナーの同族関係者が買い取る場合は、上記のように原則的評価方式による必要があります。
編集後記
GWも終わり、今日から仕事再開ですね。とは言え2日働いたらまた、休みということで気は楽かも知れません。あるいは2日も休みにしてしまうと、かなり長い連休ですね。とは言えあまり長い連休にしても、行くところがない...今年は残念な連休だったかも知れません。もうこれは、今年だけにしたいでですね。
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