実践!事業承継・自社株対策
類似業種比準方式による評価方法【実践!事業承継・自社株対策】第59号
2021.07.22
Q:会社規模による評価方法の違いの概要はわかりました。
では、原則評価の1つである、類似業種比準方式は、どのように評価するのですか?
A:類似業種比準方式は、評価する会社と類似する業種の上場会社と、いくつかの要素を比較して、比準割合を出し、
それを、上場会社の株価に乗ずることによって、評価額を計算する方式です。
計算式で表すと次のようになります。
類似業種の株価×比準割合×しんしゃく率
= 類似業種比準価額
・類似業種の株価を求めるには、まず、自社の業種が何に分類されるかを、決定する必要があります。
これについては、バックナンバー第51号に書かれていますので、ご参照ください。
・その業種の平均株価が、国税庁より次のように発表されていますので、その中で最も低い株価を選びます。
1.課税時期(相続や贈与のあった時)の属する月の株価
2.課税時期の属する月の前月の株価
3.課税時期の属する月の前々月の株価
4.前年平均株価
5.課税時期の属する月以前、2年間の平均株価
最も評価の低い株価を選ぶのは、評価の安全性を考えてのことです。
今現在発表されている株価ですと、前年平均がコロナの影響もあって、低くなっていることが多いようです。
・さらに、その株価に比準割合を乗じます。
この比準割合は、次の3つの要素によって、評価会社の数字と、類似業種の数字を、比較していくことになります。
下記3つの「1株当りの数字」を、比較します。
1.配当
2.利益
3.純資産
この計算については、少し複雑なので、来週まとめてお話したいと思います。
・最後に、しんしゃく率を、乗じます。
このしんしゃく率も、評価の安全性を考慮して設けられています。
上場会社との数値の比較だけでは、必ずしも適正な評価額とは限らないであろうから、そこから株価を割引計算している、ということです。
このしんしゃく率は、会社規模により、次のように決められています。
・大会社の場合 0.7
・中会社の場合 0.6
・小会社の場合 0.5
この会社規模は、前々回お話したものです。
以上、本日は、類似業種比準方式の概要についてお答えしました。
《担当:税理士 北岡修一》
編集後記
何だかんだとやっているうちに、ついにオリンピック前日となってきましたね。既にソフトボールや女子サッカーな
どが行われており、昨日見ていましたが、やはり応援に力が入ります。無観客は残念ですが、是非、すばらしい大会になることを祈念しています。
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