実践!事業承継・自社株対策
純資産価額の評価時点【実践!事業承継・自社株対策】第63号
2021.08.19
Q:非上場株式を純資産価額で評価する場合、いつの時点の数値を使うのですか?前期決算の数字でよいのでしょうか?
A:原則として、課税時期(相続や贈与のあったとき)において仮決算を行い、その数字により評価することになっています。
ただし、期の途中において仮決算を行うことは困難なことも多いため、直前期末の決算数値を基に評価することも認められています。
この場合は、直前期末からの資産および負債に著しい増減がなく、評価額の計算に影響が少ないと認められる状況である必要があります。
実務的には、直前期末の数字を使うことがほとんどです。
なお、課税時期が直後期末に非常に近く、課税時期から直後期末までの間に、資産および負債に著しい増減がないと認められる場合は、直後期末の金額で評価することもできます。
ただし、資産および負債について、課税時期から直後期末の間に、経理操作を行っているなどの課税上の弊害がある場合は、直後期末の数字で評価することはできません。
以上は、純資産価額による評価の場合です。
類似業種比準価額の計算の場合は、仮決算や直後期末の数字を使うことはなく、直前期末の数字により評価を行います。
《担当:税理士 北岡修一》
編集後記
東京はようやくいい天気になり、夏が戻ってきた感じですね。
ただ、コロナの新規感染の広がりが収まらず、近いところでも聞くようになってきました。
なかなか夏休みをゆっくり楽しく過ごそうという雰囲気になりませんね。
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