実践!事業承継・自社株対策
みなし配当の源泉徴収【実践!事業承継・自社株対策】第85号
2022.01.27
Q 自己株式を買い取ると、その一部はみなし配当となり、通常の配当金と同様に源泉徴収が必要とのことでした(本メルマガ第28号参照)。
令和4年度の税制改正で、みなし配当の源泉徴収が不要になることがある、とのことですが、役員が退任する際の自己株式買取りは、源泉徴収が不要になりますか?
A 上記の場合は、源泉徴収は不要にはなりません。
源泉徴収が不要になるのは、次のような場合です。
1.完全子法人株式等(株式等保有割合100%)に該当する株式等に係る配当等
2.配当等の基準日において、直接単独で3分の1超を保有する場合における株式等に係る配当等
すなわち、個人ではなく、親会社等に対する配当が源泉徴収不要の対象になる、ということです。
したがって、個人の持つ株式については、源泉徴収不要の対象にはなりません。
上記の会社に対する配当は、受け取った側の法人で受取配当等の益金不算入の対象となります。
すなわち、その配当が益金の額に算入されない=法人税がかからない、ということになります。
したがって、一旦源泉徴収されても、法人税の申告において、その源泉徴収税額が控除され、還付されたり、全体の納税額が減ることになります。
最終的に課税されないものを、わざわざ源泉徴収するのは、事務手続きが煩雑になるということで、今回改正されることになりました。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
コロナ感染者数が急増していますが、確定申告は延長されるのでは?と期待している人も多いようですね(笑)。
ただ、現時点では令和4年3月15日が期限となっています。
今後感染拡大の急増が続くようであれば、延長される可能性も否定できませんね。
ただ、それは期待せず、今からしっかり準備して、早目に終わらせるようにしましょう。
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