実践!事業承継・自社株対策
土地の売買契約後の株式評価【実践!事業承継・自社株対策】第93号
2022.03.31
Q 当社は、その保有する土地の売買契約を締結し、2か月後に引き渡す予定です。
売買価格は、土地の相続税評価額よりもかなり高くなり、株式の評価額も相当上がることが見込まれます。
そこで土地の引渡し前に、後継者である息子に株式を贈与したいと考えていますが、問題ありますでしょうか?
A 土地の引渡し後は、売却代金が入金され、株式評価が上がるということですね。
そのため、引渡し前に土地としての相続税評価をし、それによる株式評価額で贈与したい、ということかと思います。
既に売買契約を締結している場合には、売却することが確定し、売却代金も確定しているということになります。
このような状況においては、その土地の所有権はまだ保有しているものの、土地として評価することは不適当と考えられます。
相続税の取り扱いにおいては、売買契約締結後、引渡し前に土地の所有者が死亡した場合は、土地として評価するのではなく「残代金請求権」として評価することになっています。
この取り扱いは、株式を評価する際の土地の評価においても適用されるものと考えます。
したがって、ご質問の土地の売買契約締結後、引渡し前に株式を贈与した場合においても、残代金請求権で株式評価をしなければならないと思われます。
その点、ご注意いただければと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
今日で3月も終わりですね。学校や会社においても年度変わりです。
明日から4月、心機一転明るい気持ちで頑張っていきたいですね。
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