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自社株を誰が買い取るか【実践!事業承継・自社株対策】第96号

自社株を誰が買い取るか【実践!事業承継・自社株対策】第96号

2022.04.21

Q 私は同族会社を経営していますが、当社の約20%の株式を持つ親戚から、株式を買い取って欲しいと言われています。
お陰様で業績も好調であったため株式の評価額は高く、とても個人で買い取れる額ではありません。

会社が自己株式で買い取ろうと思いましたが、その場合は高い税率となり、親戚は難色を示しています。
他に何か良い方法はないでしょうか?

A 確かに会社が自己株式を買い取る場合は、買取価格の内、利益剰余金で構成される部分は、利益を配当したものとみなされ(みなし配当)、税率が高くなります。

通常、株式の譲渡益は、分離課税の譲渡所得となり、その税率は20.315%となっております。

いくら譲渡益が多くなっても、累進課税は適用されないため、有利な税率となっています。

会社が自己株式を買い取った場合は、上記のみなし配当部分は、配当所得として総合課税となり、給与所得などと合わせて、累進税率が適用されます。

そのため、株式の買取り価格が高ければ、税率も高くなることになります。

これを防ぐためには、発行会社以外の者が買い取ることです。ただし、同族会社の株式ですので、他の者が買い取るわけにはいきません。

経営者個人が、会社あるいは金融機関から借入れをして買い取ることも考えられます。

また、何らかの方法で持株会社を設立し、その持株会社が資金調達をして、株式を買い取ることも考えられます。

ただ、このためだけに持株会社を設立するということは、場当たり的な感が否めません。

今後の事業承継や、会社の事業や組織再編などもからめ、持株会社を設立することが会社の将来に有効であれば、検討に値するのではないでしょうか?

その他、役員や幹部が一部を買い取る、あるいは従業員持株会を作って買い取っていく、などの方法も考えられます。

いずれにせよ、今後の株主構成などをどのようにしていくかのが良いのかよく考え、買取り先を決めていくことが重要です。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

自社株に関する課題、ご相談は本当に多いですね。
一生懸命社業に打ち込み、高収益な良い会社になればなるほど自社株の問題が大きくなっていくのは、皮肉なものですね。

自社株の問題はできるだけ早いうちから、手を付けていくのが良いのかと思っています。

ただ、経営者は社業の発展、日々の課題に没頭していますから、そんなことを考える余裕はない、というのが多いのではないでしょうか?

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