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従業員持株会を作る効果【実践!事業承継・自社株対策】第99号

従業員持株会を作る効果【実践!事業承継・自社株対策】第99号

2022.05.12

Q 事業承継を行っていくにあたり、従業員持株会を検討していますが、従業員持株会を作ることで、どのような効果が期待できますか?

A 事業承継を行っていくには、株式を後継者に移転していく必要があります。

株価が高い場合は、株式を贈与または譲渡していくのに、かなりのお金と時間がかかる可能性があります。

そこで、その一部を従業員持株会に持ってもらうことにより、後継者に移転する負担が減るという効果があります。

従業員持株会には、評価額の低い配当還元価格で譲渡することができますので、そこもメリットになります。

配当還元価格であれば、オーナー社長にも譲渡所得税がほぼ発生しないのでは、と思います。

また、従業員持株会は基本的に株主総会の議案には賛成してくれると思いますので、安定株主となります。

さらに、従業員持株会の規約には、退職する際にはあらかじめ決められた価格で、従業員持株会に株式を売却することを記載しますので、退職後に株式が分散する心配もありません。

従業員側から見れば、キャピタルゲインはありませんが、毎年安定した配当を期待でき、財産形成の一助になるというメリットもあります。

さらには、経営参画意識の向上も期待できるではないでしょうか。

反面、デメリットとしては、従業員持株会を運営する負担が増えることになります。理事や理事長を決め、理事会を定期的に開催する必要があります。

持株会への入会や退会の手続き、株式の取得や配分、株式購入資金の問題なども出てくるかと思われます。

また、退職した従業員の株式をどのように引き継ぐか、新たな従業員の参加なども促していく必要があります。

従業員持株会は、一旦設立したら簡単にやめることはできません。

従業員持株会を設立する目的、設立したあとの運営方法等を充分検討した上で、設立されることをお勧めします。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

持株会ではなく、株式を役員や社員個人に持ってもらうことも考えられますが、その場合には退職時に個別にその株式をどうするか、誰がいくらで買うか、などを考えなければいけません。

そうなると場合によっては、折り合いがつかず、株式を持ったまま退職してしまう、ということもあります。そうなるとその後の買取りが難航したり、相続になったりすると、株式が分散してしまいます。

そうならないために持株会を作っておく、というのが最も大きなメリットなのかも知れません。

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