実践!社長の財務
内部留保を貯めるには...【実践!社長の財務】第107号
2005.11.21
おはようございます。税理士の北岡修一です。
年末が近づいてくると、税制改正の論議が活発になってきますね。
でも、今年はあまり大きな目玉はなさそうな、そんな感じです。
抜本改革、抜本改革と言いながら、なかなかやらないな、という気がします。
会社法などは、ずい分変わってしまいますが、税法は常に後追いですからそれだけで、フーフー言っている感じがします。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ 内部留保を貯めるには、社外流出をしないといけない
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よく内部留保ということばを聞くと思います。
これは、会計をやっている方ならすぐわかるのですが、経営者の方など勘違いしている方もよくいらっしゃいます。
内部留保とは、毎年の利益(正確には、配当や役員賞与などの利益処分支出をした後の利益)の蓄積です。
この利益の蓄積は、利益剰余金として資本の部に入り、いわゆる自己資本として蓄積されていくことになります。
貸借対照表(バランスシート)で、言えば次のようになります。
┏━━━━┳━━━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┃負債の部┃
┃資産の部┃ ┃
┃ ┣━━━━┫
┃ ┃資本の部┃
┃ ┃ 資本金┃
┃ ┃ 利益 ┃→これが内部留保
┃ ┃ 剰余金┃
┗━━━━┻━━━━┛
計 総資産 = 総資本
毎期、儲けたお金は税金や配当を払った後、上記の資本の部に、利益剰余金として累積されていくわけですね。
この利益剰余金の部分が、いわゆる内部留保です。
経営者の方で、たまに勘違いされているのは、
内部留保 = 現金預金
と思っているのですね。
内部留保は、あくまでも会社全体の資金(総資本)の内、利益の蓄積による額がいくらかを、表わしているに過ぎません。
上の図で言えば、右側が、資金の調達手段を表わしているのですが、他人から借りた負債(借入金など)や、株主が出した資本金と同様に資金の調達手段の1つなのですね。(自分で稼ぎ出したという調達)
借入金で調達したものも、資本金として出資してもらったものも、利益で蓄積したものも、発生源は違いますが、資金としては一体となります。
それが、どういう形で残っているかが、左側の資産の部なのですね。
現金預金で残っているものもあるし、土地や建物として固定資産として残っているものもある、ということです。
この内部留保=利益剰余金を貯めていくことが、会社を強くしていきます。
なぜならば、自分が事業で増やしたお金であり、返さなくてもいいお金、自由に使えるお金だからです。
大いに事業資金に使ったり、万が一のために、蓄積しておいてもいいのです。
内部留保によって、自己資本を増やしていくことが、会社の目的を達成しやすくしていきます。
ただし、この内部留保を貯めるには、1つ条件があります。
それは、一旦、お金を外に出さないといけないということです。
何かと言うとそれは、「税金」です。
税金を払った後でないと、内部留保は貯まらないのです。
言ってみれば当然ではあるのですが、利益を出せば税金がかかる、税金を払った残りは、大手を振って自由に使っていい、ということです。
ここが経営者にとっては、難しいところ?
内部留保を貯めたいから、税金は払いたくないのだが、税金を払わないと内部留保は貯まらない...
これは、社会の仕組みと、理解しないといけないですね。
商売できるのも、社会が正常に機能してこそ、、、そのために税金は使われる。
したがって、税金も事業をしていくための経費ということですね。
あとは、経営者がどうやって折り合いをつけるかどうかです。
・どこまで、税金を減らすのか?
・税金を減らすために、どれだけの費用支出をするのか?
・納税のための資金は、どのように貯めるのか?
・儲かっているけど、資金がない場合は、どうやってその資金を調達するのか?
等々、税金にまつわる悩みは、いろいろありますね。
でも、それを克服していかないと、強い会社になっていかないのも事実です。是非、これは克服してもらいたいですね!
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会社は、発展継続することが目的です。そのために内部留保を貯めていかなければなりません。
本文にも書きましたように、この内部留保を貯めていくには、税金を払ったいかなければなりません。
税引き後利益の蓄積が内部留保だからです。
でも、税金を払うお金がなぜかない。儲かったはずなのに...
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編集後記
このメルマガ毎週発行し、今回107号ですので、2年が経過したところです。
2年経過で3,000人以上の読者数があると、殿堂入りなんですが、まだなってませんが、どうなるんですかね...
連絡が来るのかな、連絡してみようかな、と思いつつもう少し待ってみようと思います。
せっかくですから、殿堂って入ってみたいですね!
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