実践!社長の財務
利益とは?儲けるとはどういうことか?【実践!社長の財務】第109号
2005.12.05
おはようございます。税理士の北岡修一です。
いよいよ12月に入りましたね。あと今年の仕事も20日位ですね。
今年中にやらなければいけないこと、目標にしていたけど、まだやっていないこと、ラスト・チェックリストを作ってみましょう。
私もやること目白押しです。
本が出るのは12/26に決まりましたから、この販促を今年の最後の仕事で頑張っていきます!
アマゾンで予約できるようになったら告知しますので、
皆様、よろしくお願いします!!
本のタイトルは、 ココまでできる「儲かる会計」です。
日本能率協会マネジメントセンターから、1,600円+税 です。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ 利益とは?儲けるとはどういうことか?
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(今日の原稿は、今回の本の出版にあたって、カットされた部分から、抽出しています。)
上記の本、ココまでできる「儲かる会計」 では、B/S思考が大事、ということを書いています。
損益計算書だけでなく、その裏にある「貸借対照表」(バランスシート:B/S) まで考えて経営しなさい、ということです。
それが、「儲かる会計」の基本的な考え方です。
では、その「儲け」とは何から産み出されてきているのでしょうか?
そんなことを言うと、「儲け?そんなのは、仕入れた金額よりも高く売るから儲けが出るに決まっているじゃないか。」と言う方がいらっしゃると思います。
確かに事実はそうかも知れません。でも、なぜ高く売れるのか、それを考えておくことが、継続的に儲けていくためには大事なことです。
儲けるとは、利益を上げるということです。
もう1つ、産み出す・作り出すという意味があります。
「子供を儲ける」などという使い方がその典型例です。
では、企業は何を産み出すのでしょうか?結果として利益=お金を産み出していますが、それは「あるもの」が形になって現れた結果です。
その「あるもの」こそが利益の正体です。
もったいぶらずに言うと、そのあるものこそが「付加価値」です。
付加価値がつくからこそ、仕入れた値段よりも高く売ることができます。
英語でお金を稼ぐことを Make Money と言いますが、まさにこの付加価値は社会全体のお金を作り出しています。
簡単な例を上げましょう。
・Aさんが、B工務店に3,000万円の住宅建築を注文した。
・B工務店は、この住宅を2,500万円かけて建築した。
・住宅が完成し、Aさんは、B工務店に現金3,000万円を支払い、住宅の引渡しを受けた。
この仕事についての、両者の資産は、どうなるか?
<住宅完成前>
・Aさん :現 金 3,000万円
・B工務店:資 産 0万円(この仕事以外の資産は無視する)
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合 計 3,000万円
<住宅引渡し後>
・Aさん :建 物 3,000万円
・B工務店:現 金 500万円(売上3,000万円-原価2,500万円)
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合 計 3,500万円
結果 : Aさん・B工務店の合計で、資産が500万円増えた!
この仕事をやる前は、Aさん・B工務店合わせて、資産は3,000万円でした。
それが、仕事が終わると、Aさん・B工務店合わせて、資産は3,500万円になっています。2社合わせると、資産が500万円増えたことになります。
この500万円は、誰かから奪い取ったものではありません。
Aさんは支出した現金に見合った建物を手に入れた。
Bさんはきちんと業者などに2,500万円の原価を支払って、500万円残った。
皆がハッピー、誰も損はしていません。まさにB工務店の付加価値が、社会全体の資産を増やしたことになります。
利益を上げる、儲けるということの本質は、実はこういうところにあります。
では、なぜこの付加価値は生まれてくるのでしょうか?
製造業であれば、材料を集めて人や機械が加工・製造し、新たな「もの」ができますから、価値が付け加わっているのは、わかりやすいですね。
では、仕入販売業の場合はどうでしょうか?
商品を右から左に流しているだけで、付加価値がつくのでしょうか?
もちろん単なる横流しであれば、付加価値は低いでしょう。
でもお客様は、単純に商品を買っているわけではないのです。
商品そのものよりも、その商品を使うことによって得られる効果を求めています。
クスリであれば、「風邪を治すため」であり、本であれば「ある情報を知るため」に購入します。
仕入販売業は、お客様が求めるものを探し、それがどのように役に立つのかを伝えています。そこに付加価値が生まれるのですね。
商品を売っているのではなく、そこから得られる情報や効果を売っている。
それが利益になってきます。その価値が高ければ高いほど、価格も高く売れます。
他とは比較できないほど価値が高まると、希少価値となり、価格は暴騰します。
実は価格とは、読んで字のごとく「価値が格付けされたもの」です。
あなたの会社の提供する商品やサービスの価値はどの程度か、その格付けを表すものが価格です。
格付けというと通常は第三者が決めるものですが、価格の場合にはまずは自社で決めます。ただし、それは市場で評価されます。
価値と価格が見合っていない場合は、売れませんから、価格を下げざるを得ません。
逆にどんどん売れるようであれば、価格を上げていくことも可能です。
この価値と価格の一致する点を探すのが、社長の重要な役割です。
自らの商品の格付けをどこに置くか、です。一度決めたらなかなか変えられない場合もありますから、これは大きな意思決定です。
価格次第で、会社の利益も大きく変わってきます。
京セラの稲盛和夫氏曰く「お客様が納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段。このギリギリの一点で注文を取る。」
この一点をいかに見つけ出すか、です。
そのためには、自社の商品やサービスの客観評価、お客様の状況やニーズ、考え方などを第三者的に見ていないといけないですね。
お客様との接点以外からは、利益は生まれてこないのですから、これぞ社長の最大の役割です。
(本の1章分なので、ちょっと長くなってしまいました。こんな様な本です。出版の暁には、是非1課?に一冊を!!)
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■ 「儲けてお金を残す」財務&節税セミナー
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先週12/2 上記セミナーを行ないました。
20数名ご参加いただき、2時間半(私の部分で2時間弱)ビッチリ話をさせていただきました。最後は押してしまった感じですが、アンケートは、「充実した内容だった」と多くの声をいただき、ホッと一安心です。
内容は、いかに内部留保をためて、会社を成長発展させていくか。
そのために、税金とどう付き合ったらいいのか、節税は、基本的にどう考えるべきなのか、その基本戦略は?
そして、数々の節税手法の解説。法人税・消費税から事業承継まで。
最後は、来年度会社法改正、税制改正がどのようになっていくか、その対応法など、盛りだくさんです。
約30ページのテキストをつけて、お送りします。
セミナー参加できなかった方は、是非、お申込みください。
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●30ページテキスト付き
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「節税セミナーDVD希望」とお書きいただき、住所・氏名・TEL・FAX・会社の場合は会社名などをお知らせください。
編集後記
昨日の日曜日は、久しぶりにゆったりとした気持ちで過ごせました。
やはりセミナー前とかは、いくら準備ができていたとしても、気になって落ち着きません。(今回は準備もギリギリでした)
セミナーや講演を毎日のようにやっている人がいますが、正直すごい!
と思いますね。毎日が修羅場の連続のような...(大げさですが)
その位やはりセミナーは、私にはプレッシャーがあります。
まあ、その位プレッシャーがあった方がいいセミナーができるとも思いますが。
いずれにせよ、いつも反省が多い、セミナーになってしまっているなあ、というのが実感です。
また、今度やる時は、一度見に来てやってください。
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