実践!社長の財務
利益処分の役員賞与、配当【実践!社長の財務】第135号
2006.06.05
おはようございます。税理士の北岡修一です。
平成18年度税制改正で、役員賞与が事前届出で損金算入できるようになる、
役員報酬の改定は、決算後3ヶ月以内にしないと、事前届出が必要になる、
というような改正がありましたが、これは、平成18年4月1日以後開始する事業年度から、です。
ですから、12月決算などは、来年の1月からスタートする事業年度から、上記の改正になります。
私自身も勘違いしていたところもあり、改めてお伝えします。
税制改正というのは、「いつからか?」ということを押さえておくことが、重要ですね!
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ 利益処分の役員賞与、配当
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今年度から上記のように、事前届出をすることによって、役員賞与が損金に算入できるようになりました。
この事前届出は、
1.役員の職務執行開始時と
2.会計期間開始後3ヶ月
とのいずれか早い時期までに、税務署に届け出ることが必要です。
この職務開始時というのは、基本的には役員は株主総会で選任されますから、その選任された時から職務開始ということになります。
ということは、通常は定時株主総会は、事業年度末から3ヶ月以内に開かれますから、いずれか早い時期というのは、定時株主総会までということになりますね。
定時株主総会までに、その期の役員賞与の支給時期、支給対象者、支給金額などを届ければ、役員賞与は損金になる、ということです。
今まで利益処分で、役員賞与を払っていた会社、あるいは役員である株主に配当を払っていた会社は、是非、これは考えてみる必要がありますね。
すなわち、役員賞与や配当のうち、今期見込める額、あるいは予測が難しければ、見込める額の内の「最低額」を、事前届出で、損金になる賞与として支払う、
ということはできないでしょうか?ということです。
多少でも損金で落とせるのであれば、その分の法人税等がセーブできますので、内部留保を多くすることができます。
思った以上に利益が出れば、その分の賞与は、今までどおり利益のうちから(損金にはせずに)株主総会の決議で、役員賞与を支払えばいいわけです。
配当についても、役員=株主である会社は、役員賞与として支払えないか検討する余地がありますね。
ただし、役員の職務の内容や執務の状況を考えて賞与を決めないと、いくら事前届出をしたとしても、否認される可能性はありますので、その点はご注意を。
今回の会社法の改正、税法の改正では、役員報酬や賞与を一体として考えるようになってきました。
事業年度の初めには、役員の報酬等を、今後1年間、どのような形で取るのか、今まで以上にきっちりと考えておく必要があります。
そして、年度始めに一旦決めたら基本的には期中は変えずに、1年間それで通していく、ということが大事になってきますね。
その意味で、経営計画をしっかり立てることも重要になってきます。
編集後記
昨日は女房の入っている合唱団の発表会がありました。
まあ、リハーサルから何から1日がかりで大変ですね。
でも、たまには合唱を聞くというのもいいもんです。
女房孝行にもなりますし...
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