実践!社長の財務
儲かっている会社、儲かっていない会社【実践!社長の財務】第143号
2006.07.31
おはようございます。税理士の北岡修一です。
先週、利益を上げるには、採算単位を小さくして、社員に採算の意識を持ってもらう、というような話をしました。
その直後、新聞を見ると、京セラのアメーバ経営の話が載っていました。
アメーバ経営は、組織の最小単位ごとに、部門別採算を徹底する仕組みです。
組織は、アメーバーのように、常にくっついたり、離れたりしていますので、これをどのようにしてシンプルに管理することができるのか、
非常に優れた仕組みを導入しています。
その京セラがさらに、利益から資本コスト(調達した資本にかかるコスト)を引いた、企業付加価値でアメーバーの採算管理をする、
というような記事でした。
すなわち、資本をたくさん使うような事業は、それだけ資本コストが採算から引かれてしまう、ということになります。
バランスシートのスリム化を、評価に組み込もうということですね。
あれだけの実績を残しながら、京セラはますます進化してきそうです。
是非、皆様の会社も、どのように部門別採算を見たらよいのか、
いろいろと知恵を絞って、考えてみてはいかがでしょうか?
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ 儲かっている会社、儲かっていない会社
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20数年来、税理士をやってきて、中小企業を見ていると、「儲かっている会社」と「儲かっていない会社」の違いが、何となく見えてきます。
誤解を恐れずに言えば、それは「信頼関係」なのではないかと、思っています。
何の信頼関係かと言うと、それは社長と社員の信頼関係です。
もちろん、社長の人間性に対する社員の信頼もありますが、
むしろ、経営的には、人間性に対する信頼というよりも、社長の方針や戦略、方向性に対する信頼が、社員にあるかどうか、です。
いくら人間的にいい社長でも、根本的な方針が違っていれば、儲からない会社になってしまいますからね。
そしてもう1つの信頼は、社長が社員を信頼しているかどうか、です。
社員を信頼していない社長というのは、意外と多いですね...
常に社員のことを、ボロクソに言ったり、ボヤいたりしています。
当然、儲からない会社になっています。
このビジネス上の信頼関係があるかどうか、これが組織として「儲かる会社」になるかどうかの、キーポイントだと思います。
信頼関係があるからこそ、社長は社員にすべてをオープンにする。
信頼関係があるからこそ、チームやプロジェクトの採算を本気で追求しようとする。社長の提示するビジョンを信じて、それを達成しようと努力する。
こういう好循環が、儲かる会社になっていくんですね。
「儲かる」という字は、信者と書きますが、これはお客様を信者にすることができた会社は、儲かるんだよ、とよく言われますが、
それよりも、社長と社員がお互いに「信ずる者同士である」ということの方が、まずは重要ではないでしょうか?
それがあって初めて、お客様を信者にしていくこともできるのだと思います。
編集後記
ようやく梅雨明けしましたね。何となく歯切れの悪い梅雨明け宣言ではありましたが...
ただ、意外と朝晩などは涼しいですね。
ある人によると、今年は冷夏になりそうだ、などという人もいましたが、さて、どうなるでしょうか...?
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