実践!社長の財務
予算制度と利益計画の違い!【実践!社長の財務】第175号
2007.03.12
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
編集後記にも書きましたが、昨日は税務相談をやっていましたが、中でも多かったのが、相続時精算課税についてです。
これは、65歳以上の親から20歳以上の子へ、2,500万円まで無税で贈与できるという制度です。ただし、相続の時には、相続財産に含めて、その際に税金を精算しますよ、という話です。
住宅資金の場合には、これが親の年齢制限がなくなるとともに、3,500万円まで無税ということになります。住宅フェアの税務相談ですから、この相談が特に多くなるのですね。
うらやましい、と思うと同時に、この制度は贈与というよりも、世代を超えた家族の財産をどのように活用するか、ということですね。
あまり使い道がないのに、親がたくさん財産を持っているよりも、資金がたくさん必要な世代に活用してもらおう、ということですね。
「親に感謝しないとね、当たり前と思っちゃいけないぞ。」と心の中で言いながら、相談を受けていました。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
予算制度と利益計画の違い!
これは、私の主観かも知れませんが、予算制度と利益計画では、次のような違いがあると思います。
予算制度とは、会社のあるべき姿・目標を達成するために、売上や経費について、あらかじめ必要な額を設定し、その数値に基づき計画的に経営を行なっていくことです。
したがって、売上・経費とも、予算どおりに行なっていくことが望ましい、ということになります。
利益計画も似たようなものなのですが、こちらはあくまでも主眼は利益であり、利益を達成することを目的とします。
その利益を上げるために、どのような売上・経費構造になるのか、ということを設定します。
したがって、利益計画を実行する際においては、常に状況判断により、売上や経費の数字は、変動してきてもよいのです。
どうしても、売上が計画どおりに上がらないのであれば、経費を削減して何としてでも利益を達成する、それが利益計画の運用になってきます。
予算制度の場合は、売上予算と経費予算が切り離されて運用されている感があります。
すなわち、売上予算は達成しなくても、経費予算はきちんと達成する、というような状況が出てきてしまいます。
売上は市場や得意先の意志が入ってくるので、簡単には実現できませんが、経費はこちらの意志だけですから、容易に達成することできます。
これでは、赤字になりやすい体質になってしまいますし、利益率の高い会社は、望むべきもありません。
もちろん、予算制度であっても運用により、いくらでもカバーできるのでしょうが、
やはり、基本的には利益に焦点を当てるべきだと思います。
そのためには、経費は固定化・予算化させることはせず、期首の設定値にとらわれず、その都度「必要な経費」を使っていく、というようにしていく必要があります。
民間企業であればこそ、中小企業であればこそ、
「経費の既得権益化」は、絶対に避けなければいけないですね。
編集後記
昨日は、ハウスネット・ギャラリーが行なっている、「超・住宅フェア」の、税務相談コーナーに1日中、詰めていました。
このフェアは、物凄い集客力があるので、業界の中ではかなり有名になってきました。昨日も朝から雨だったのですが、相当の人が入っていましたね。
競合するハウスメーカーや工務店、建築家などが一挙に集まってフェアをやるのですから、他ではない催し物です。
住宅を購入する、建てるのなら、今後もやりますので、是非覗いてみたらいいと思います。
→ http://www.hng.ne.jp/
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