実践!社長の財務
自己資本比率は、どの位を目指すか【実践!社長の財務】第183号
2007.05.07
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日から連休明けですね。休みボケにならないよう、朝からエンジン全開で行きたいと思います!
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
自己資本比率は、どの位を目指すか
先週は、「自己資本比率」の目標を目指すことは、経営のすべての要素が入っている、というお話をしました。
もちろん、すべての要素というには説明が足りなさ過ぎるとは思いますが、その点は皆様も是非、考えてみてください。
そこで、この比率なのですが、どの位を目指すのか?
以前にも書いたことがありますが、私の本「ココまでできる儲かる会計」を読んで、わざわざ岡山から来てくれた社長がいます。
M工業のM社長です。
M社長は、2代目で会社を引き継いだときは、自己資本比率はわずか12.5%しかなかったとのこと。
あるセミナーで、自己資本比率の重要性を知り、一途なM社長は、経営指標・目標を、自己資本比率を上げること、その1つだけに絞り、ひたすら自己資本比率を上げる経営をしてきたそうです。
・不良な資産を処分し、負債を減らす。
・支払手形は、時間をかけて全廃する。
・受取手形は、絶対にもらわない。手形の取引先は断る。
・売掛金を徹底的に回収し、回収が不可能なものは落とす。
・以後は、与信管理を徹底して、不良な売掛金を発生させない努力をする。
・在庫は、これ以上少なくなったら会社が回らない、というくらいに徹底的に減らして、経営できる体制をとった。
・とにかく、利益を上げる。何としてでも利益を上げ、上げた利益は節税をしない。節税を提案する税理士とは縁を切ってでも税金を払い、内部留保を貯めてきた...
以上のような話を聞きました。
恐ろしいくらい徹底して、とにかく自己資本比率を上げたそうです。
税理士を切ってまで、税金を払った、というのにはビックリしました。
税金を払う資金も大変だろうけど、税金を払わないと内部留保は貯まらない、だから絶対に税金を払わないといけないんだ、という信念で必死で資金繰りをして払ったそうです。
その結果、M社長が言うには、自己資本比率が10%程度では非常に資金繰りが苦しい。社長の仕事は、資金繰りのために走り回ることがほとんどである、とのこと。
ところが自己資本比率が40%を超えるころになると、資金繰りが楽になったという実感が湧いてきた。
50%を超えると、かなり楽になった、以前とは雲泥の差、というようになった。
今では60%を超えており、余裕ができたので、こうやって岡山から思い立ったらすぐ東京に来ることもできるようになった...
というような、話を聞きました。
自己資本比率は、何%以上、なんて言葉で言うのは簡単です。でも、それでは説得力がない。
よく30%以上は必要などといいますが、実際にやってきたM社長は40%になって楽になった、と言っています。
30%では、楽ではなかったんですね。・・・それとも必死で気がつかなかったのか...
でも、実践してきた方の言葉は、机上の理論の何倍も説得力・迫力があります。
したがって、自己資本比率は40%以上、
目標としては50%以上を目指す、ということがよろしいのではないでしょうか?
根拠は、「実践の結果」です。
編集後記
昨日は、東京六大学野球 母校の立教対早稲田を応援に行くはずだったのですが、残念ながら雨で中止...
かなりの確率で、早稲田は斎藤君が出てくると楽しみにしていたのですが本当にザンネンです。是非、今日、見に行けないけれど、打倒!ハンカチ王子!立教頑張って欲しいですね。
メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0000119970.html