実践!社長の財務
平成19年3月までに取得した資産は?【実践!社長の財務】第188号
2007.06.11
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
2009年6月までに行われる株券のペーパーレス化が少しずつ進んでいるようですね。
先日の日経新聞に、所在不明の株主の扱いが出ていました。
株券としては発行しているのですが、持ち主がわからないというものですね。ということは、配当も受け取っていないということです。
株券を持ったまま、既に亡くなられている方も多いのでは? と思います。遺族の方も株券があることを知らない...そんな株券が多そうですね。どこかに慎重にしまってあるのでしょう。
そんな株券は、2009年1月までには現金化され(株券ではなく現金になる。すなわち株主ではなくなるということ)、信託銀行に信託されます。
その後、10年間は信託銀行で保管されますが、さらにその後は発行企業の雑収入になります。
是非、株券が家の中にないか、再度チェックをしましょう。
といっても、普通は出てこないでしょうが...
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
平成19年3月までに取得した資産は?
平成19年度の減価償却制度改正の中で、100%償却できるようになるのは、あくまで平成19年4月1日以降に取得した資産です。
先週の250%定率法についても、平成19年4月1日以降に取得した資産が対象です。
では、それ以前に取得した資産は、どうなるのか?
それ以前に取得した資産は、基本的には今までどおりの償却方法を使います。すなわち、従前の償却率、償却方法です。250%定率法などの適用もありません。
したがって、耐用年数経過時には残存価額の10%が残ることになります。
減価償却は、ある一定の(耐用年数や残存価額)仮定のもとに計算をしていますから、途中から変えるとその仮定-前提条件が狂ってしまい合理性を欠くからです。
では、まったく同じなのかというと、最後の部分が違ってきます。
すなわち、償却可能限度額95%まで償却した後です。
減価償却は、償却可能限度額95%まで税法上償却できることになっています。今までは、そこでストップし、資産がある限りはそれ以上償却することができませんでした。
今後は、償却可能限度額95%まで償却した事業年度で、償却は一旦そこまででストップします。これは今までと同じです。
その上で、翌事業年度から、残りの5%を5年間で均等償却していきます。
ただし、資産がある限りは、備忘価額として1円を残さないといけません。
この5%を償却する計算式は、次のとおりとなります。
★95%に達した、翌事業年度以降の償却計算
(取得価額-取得価額×95/100-1円 )÷60ヶ月×当期月数
上の式を見るとわかるとおり、変なところで1円を引くのですね。
たとえば、100万円の資産で、5%、5万円の場合の計算をしてみます。
(5万円-1円)÷60ヶ月×12ヶ月 = 9,999円
すなわち、1年間の償却費は、9,999円となり、5年間では49,995円となり5年後は5円残ってしまいます。
備忘価額1円に達するまでは、実は6年目に4円償却しないといけない、ということですね。
何かスッキリしないですが...
最後に注意するのは、この5年間の均等償却を行なうのは、平成19年4月1日以後開始事業年度 からです。
すなわち、一番早い決算は、来年の3月決算(1年法人の場合)からということですね。
編集後記
週末は、PCをVISTAに換え、その以降作業でおおわらわでした。
今も新しいPCで書いているのですが、果たしてうまく送信できるでしょうか...
フォントなどの乱れがありましたら、是非、ご報告ください。
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