実践!社長の財務
まずは、余分な科目をなくすこと【実践!社長の財務】第195号
2007.07.30
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今年の税制改正の目玉である「減価償却」関連の通達が7月6日に国税庁から公表されています。
資本的支出の取り扱いなどが、やっかいですが、企業で固定資産管理などをされている方は、是非ご確認いただくと良いと思います。
それにしても、減価償却計算は複雑になってきましたから、とても手書きでの管理やExcelでの管理では難しくなってきたと思います。
資産がそれ程多い会社でなくても、やはり固定資産管理や減価償却計算の専用ソフトを導入した方がいいと思いますね。
当社の関連会社などでもご紹介していますので、参考にしてみてください。
→ http://www.quick-a.co.jp/
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
まずは、余分な科目をなくすこと
試算表を良くしていくには、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)両方からのアプローチがあると思います。
短期的にはP/Lを良くしていく、長期的にはB/Sを良くしていく、ことになります。
ただ、P/Lでの改善の結果は、必ずB/Sに反映してきますから、最終的にはB/Sを良くしていく、ことに注力していくことが重要です。
いろいろな会社のB/Sを見ていて思うことは、「余分な科目が多い!」ということですね。
そう言うと、会計処理上、必要だから使っているのであって、決して余分な科目ではないと、言われるかも知れません。
たとえば仮払金や立替金、貸付金や未収入金など、会計処理上、使わなくてはいけないので、しょうがないでしょう、という話です。
確かにそれはそうですね。
ただ余分な科目をなくす、というのは会計処理上の話ではなく、その原因となる行為自体をなくす、あるいは一時的に発生してもすぐに解消する、そういうことをやって欲しい、ということなのです。
B/Sの本来の科目というのは、非常に少ないものです。
現金預金、売掛金、(あれば受取手形)、棚卸資産、
固定資産
資産で言えば、上記のような科目が本業での本来の科目です。
それ以外は、言ってみれば余分な活動により発生してきている科目ではないでしょうか?
まずは、余分な行為をなくし、本来の科目に近づけていく、これをやろうと、決めることが試算表を良くしていくスタートだと思います。
仮払金は、なるべく出さない、出しても期日まで、できれば月末までには消す。立替金は基本的にはしない、した場合にはすぐに精算してもらう、特に月末には残さない。
貸付金は、金融業や福利厚生用でなければ基本的にはしない。当然、保証など目に見えない債務などもしないことです。こういうことを原則で決めておけば、取引先からの申込みに安易に貸してしまうこともなくなるでしょう。
貸付金がなくなれば、当然未収利息や、貸倒引当金などもなくなってきます。
各社いろいろな要因があると思いますが、まずは「余分な科目はなくす」という方針を立て、その上でどのようにそれが実現できるのかを考えていって欲しいですね。
余分な科目のないシンプルなB/Sは、本当に美しいですよ。そうしようという意識が会社の無駄を省いていきます。同時にそうすることにより、資金繰りも良くなってきます。
余分な科目の金額が、現金預金に流れ込んでくるわけですから。だからこそ、これがまず、試算表を良くする第1歩の施策であるわけです。
編集後記
参院選、自民党の歴史的惨敗でしたね。
社会保険の問題もそうですが、事務所経費の架空計上などお金の問題をクリアにしない体質は、本当に許せるものではないですね。
このメルマガ読んで欲しいくらいです。
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