東京メトロポリタン税理士法人

お問い合わせ

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング17F

  1. HOME
  2. メールマガジン
  3. 実践!社長の財務
  4. 資産にのせない...【実践!社長の財務】第196号

実践!社長の財務

資産にのせない...【実践!社長の財務】第196号

資産にのせない...【実践!社長の財務】第196号

2007.08.06

おはようございます。
税理士の北岡修一です。
 
秋に近づき少しずつ税法改正の話題も出るようになってきました。
消費税増税は、既定路線かと思っていましたが、参院選自民党の大敗でどうなるか、わからなくなってきたところもありますね。

これからの議論を注目したいと思います。
 
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

資産にのせない...

試算表を良くしていく、すなわち会社の財務内容を良くしていくには、まずは、「資産にのせない」ことを心がけるべきです。

もちろん、あるのに隠せ、ということではありません。

預金や在庫、貸付金など、実際にあるものは、のせなければ不正な会計処理になってしまいます。
これらは当然、のせていくことになります。

ここでいう「資産にのせない」とは、会計処理のやり方次第では、資産にのせなくていい場合は、できる限りのせない方法を採ろう、

あるいは、のせるべきでないものは、税法の規定にかかわらず、のせないようにしよう、ということです。

たとえば、

・固定資産は、税法基準の少額減価償却資産や一括償却資産を使って、できるだけ経費として処理する。(10万円、20万円、30万円基準)

・上記にあたり、固定資産はできるだけ細かい明細を取り、上記基準が適用できるように細分化する。

・固定資産の耐用年数は、できるだけ短いものを取れるように工夫する。

・特別償却(または税額控除)が、できないかを検討する。

・その資産が使われなくなった場合など、除却をきちんと行なう。

・その資産について、修繕や改良をした支出は、税法基準などを照らし合わせ、できるだけ経費として落とすようにする。

・商品などの棚卸資産は、在庫を計上するが、不良品や陳腐化したものなどは、基準を作ってできるだけ早く落とすようにする。

・有価証券は、時価等を常にチェックし、一定の基準(社内基準)を下回ったら評価減をする。

・売掛金については、こまめに回収のチェックをし、滞留をさせないように督促などをしていく。

・売掛金の滞留などが長くなってしまった場合は、貸倒引当金を積んだり、場合によっては貸倒損失とする。

・常に不要な資産はないか、減らせる資産はないかをチェックし、不要な資産は売却して現金化するか、売却不能であれば、損失で落とすことを検討する。

などなどです。

上記は固定資産が中心にはなりましたが、常に月次において資産を見て、その資産性について、検討しておくことを心がけて欲しいと思います。

なお、上記は税法で損金になるかどうかは、また別の問題です。
税法でも落とせれば一番いいのですが、場合によっては税法上は無理なこともあります。

ただ、その場合でも、「これは資産性がないので落とした方がいい」というのであれば、是非、貸借対照表から落としてください。

貸借対照表は、税法のために作るものではないからです。

貸借対照表は、会社の真の財政状態を見るものです。
税法のしばりで、資産性がないものを資産にのせておくというのは、経営を見誤ってしまう恐れがあります。

是非、実態を見て欲しいと思いますね。
税法上は、申告書で申告調整(損益計算書の利益に加算したり、減算したりすること)を行ないますので、問題はありません。

なぜ、ここまで資産を厳しく見ていくのか。
それは、強い会社・儲かる会社にするためです。

現状を正しく認識すること、厳しく見ることが、経営の改善につながり、ひいては会社を良くしていきます。

経営者は、貸借対照表や損益計算書を見て、若干資産性に欠けるものが載っていることをわかっていつつも、やはりこれらの書類の数値が頭に残ってしまうものです。

水増しされた数値が、自社の現状の数値だと頭にインプットされていってしまいます。それで、甘さが出てきてしまうんですね。

実態以上に粉飾された状態が自社の現状であると思い、余裕のある経営になってしまったりします。
本当の姿はもっと厳しい状態であるのに...

これは本当に怖いことです。経営のトップが自らの資料にだまされてしまうのですから...
だからこそ、貸借対照表は特に厳しく作って、見ておいた方がいいと思うのです。

ということで、是非「できるだけ資産にのせない」ような会計処理をしていってください。

編集後記

今週は、7~9日フルではないのですが、夏休みを取ろうと思っています。本当はじっくりと長期バカンスでもしたいのですが、私と家族の日程をすり合わせていくと...こんなところで落ち着いてしまいました。これではやはり近場くらいしかいけないですね。

メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
https://www.mag2.com/m/0000119970.html

税務・財務・経営のご相談はお問合せフォームへ

税理士セカンドオピニオン

<< 実践!社長の財務 記事一覧