実践!社長の財務
必要以上にものを買わない【実践!社長の財務】第198号
2007.08.20
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日で198号目、もうすぐ200号ですね。読み続けていただいている方ありがとうございます!
毎週1回、正月もお盆休みもおそらく1回も休まず書き続けているはずです(私の記憶では...)。
1週間に1回とは言え、よくここまで続いているなと、自分でも驚いています。
まあ、ほとんど意地みたいなもので、何が何でも続けると思ってやっていますが。
何だか200回の挨拶みたいですが、まだあと2回ありましたね。
あと2回書いてから、また振り返ってみたいと思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
必要以上にものを買わない
たとえば封筒などの印刷物の場合、500枚作るよりも、1,000枚作った方が、1枚あたりの金額を安くすることができます。
見積書などを取り、見比べると「安くなるし、どうせならたくさん作った方がいいか...」と、つい多く頼んでしまいがちです。
でも、実際にはそれ程使わず、全部なくなる前に、手狭だから引越ししようとか、会社のロゴを作ったので、デザインを一新しようとか、結局は封筒をムダにしてしまった...
という経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。
これは、とても大事な教訓を含んでいます。
まずは、単価だけを見ない、ということです。
単価が安ければ、得だと思いますが、より重要なのは全体の金額です。
500枚よりも1,000枚の方が、全体の金額は高くなっているはずです。
1枚あたりは安くても、全体では結局は高い金額を払うのです。
すなわち、会計的に見れば、1,000枚の方がより多くのキャッシュが流出するわけで、損なのです。単価に惑わされてはいけません。
もちろん、すぐに使う1,000枚であればそれはいいでしょう。
でも、使うかどうかわからない、使い切るには相当の時間がかかる、というようなものであれば、必要な分だけを購入し、少しでもキャッシュの流出を少なくすべきです。
こういうことが、意外とわかっていなくて、ムダをしている会社が非常に多いような気がします。
さらに、金額だけの問題ではありません。
これらの封筒を置く場所が必要になってきます。いつまでも使わないものは、とても邪魔になってきます。かさばるものであれば、倉庫代や管理費用がかかるかも知れません。
また、時間がたてば古くなってきます。封筒はそうでもないのかも知れませんが、見た目がいかにも古くなってとても使えない、というものもあるかも知れません。
さらに、金額が張るものであれば、在庫の金利負担もバカになりません。
そして、金額以上に大事なのは、ものがたくさんあるということで、ものをムダ使いする、大事にしない、という風潮が起こってくるということです。
たくさんあるのだから、どんどん使え、早くなくさないといけない、というのでは、本末転倒ですよね...
まとめて買う、というのはこんなにもデメリットがあるのです。
これが封筒などたまに買うものでなく、日々仕入れる材料や商品であれば、なおさら大きな影響がでてきます。
京セラ創業者の稲盛和夫氏は、これを「当座買いの原則」といって、会社が小さい時から、大企業になった現在においても、重要な原則の1つとして、徹底してきているそうです。
トヨタの看板方式なども、この発想が入っているのでしょうね。
必要以上にものを買わない⇒ムダな資産を持たない⇒モノを大事にする風潮を作る⇒高収益企業への道
という図式が成り立つのではないでしょうか?
是非、そのような考え方を経営に取り入れていって欲しいと思います。
編集後記
暑いお盆休みもようやく終わりですね。
今日から会社の新学期みたいなつもりで、休みボケから早く醒めて頑張っていきましょう!
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