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実践!社長の財務

負債をもれなく計上する【実践!社長の財務】第199号

負債をもれなく計上する【実践!社長の財務】第199号

2007.08.27

おはようございます。
税理士の北岡修一です。
 
先週くらいから、日経新聞にはずい分と税制改正関連のニュースが載るようになりましたね。
これらは経済産業省や国土交通省などの省庁からの、税制改正の案や要望です。

どんどん出てくるのはいいのですが、どうも自民党の税制調査会が危うくなってきていますね。
参院選であれだけ負けてしまいましたから、ちょっと自民党の意向だけでは、今度の税制改正は通らないだろう、というところから議論の進め方にとまどいが見られるようです。

そうなると今まで前提にしてきた消費税率のアップとか、法人税率の下げなど、既定路線が崩れてくる可能性があります。

とは言え、やはり税制調査会は、国民の生活や経済の活性化を視野に入れて本質的な部分でやって欲しいですね。選挙結果で、議論の内容が左右されるようでは、税制調査会の本来の意義は何なのだろう、と思ってしまいますね...
 
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

負債をもれなく計上する

バランスシートを厳しく見ていくことにより、会社の本当の姿、実力を認識することにより、より強い会社・儲かる会社を作っていこう、というのが、最近何回か書いていることの基本的な趣旨です。

その意味で、バランスシートの左側、資産について書いてきました。

今日は、右側負債について書いてみたいと思います。

負債については、今現在までの期間に原因がある負債は、すべてをバランスシートに載せること、これが考え方の基本です。

さらには将来発生するかも知れない、見込みの債務についてもできるだけ載せておこう、ということも付け加わります。

今までに原因がある負債ですから、請求書が来ているか、来ていないかは、関係がありません。
契約書や取引先との取り決めで、負債になるものがあれば、それらも載せなければいけません。

たとえば、ある収入に対して、後日手数料を払う場合などは、その収入が上がった段階で、手数料を未払金に計上する必要がある、などですね。

請求書が来ていなくても、「費用収益対応の原則」で、上がった売上に対応する費用は、同時期に計上することが大事です。
そうでないと、誤った損益を見ることになってしまいます。

常に「ものと伝票は、対になって動かなければならない」という1対1対応の原則、というものがあります。
商品が納入される時は、商品とともに納品書・受領書がついてくる、

ものと伝票を照合することにより、仕入れや在庫の管理ができたり、経理処理が可能になるのです。

このようにものと伝票が一致している場合は、買掛金や未払金の計上がもれることは、ないでしょう。

しかし、サービスのように、目に見えないものに対する支払いは、1対1対応の原則というのが、簡単にはできません。

あるサービスを提供してもらった場合、その場で伝票のやり取りをしなければ、その計上がもれてしまう可能性があります。

その意味で契約書や、申込書、完了報告書など、サービスに対応した書類が必要になるのです。

これは、反対に自社がサービスをする場合にも気をつけないといけないですね。
たとえば私たちみたいな仕事、税理士業務などがそうです。

最近、税務調査が多いのですが(今年からスタートが早くなりましたね。もう夏休みからガンガンに調査をやっています)、この立会いをした場合など、立会料をいただくのですが、これなど請求もれになってしまうことがあります。

税務調査に立ち会って、「大変でしたね。今日の問題はこれとこれで...」なんて言ったあとで、「では、これが本日の調査立会いの納品書です。」とは、なかなか言えないですね...(笑)

きちんとつけておかないと、わからなくなってしまいます。
これは、支払う方も、「その日来てもらったっけ?」なんて思っていると本当に後日の請求書が正しいのかどうか、疑問がわいてしまいます。

すこし話が脱線しましたが、要は常に「ものやサービスと、伝票あるいは報告書」を1対1の対応になるように、きちんと作成し、支払計上や請求もれがないようにしていく必要がある、ということです。

そして、負債は必ず、発生したものをすべて計上する、それを引いた後の数値こそが、本当の会社の純資産なのです。
見せかけの純資産を見て、勘違いしないように、することが大事ですね。

編集後記

本文にも書いたように、税務調査の立会いが最近とても多いです。
今年から、調査に早く着手するよう、国税庁から税務署にお達しが出ているようです。

まあ、でも、やるべきことは早くやってもらった方がいいので、来るところはどんどん来いと、いうところでしょうか。

本文に書いた調査立会いの請求は、当社の場合、もれることはありませんので、顧問先の皆様、ご安心(?)ください。

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