実践!社長の財務
将来発生する負債も載せる【実践!社長の財務】第200号
2007.09.03
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
本日でちょうど200号になりました!
毎週1回ですから200週、4年弱ということですね。
我ながら1回も休まずよく続けていると思います。
ただ、毎日書いている方などもいますから、毎週ですから大したことはないのですが...
過去の内容などを見ると、ずい分変わってきた、という感じもします。
よく読んでみると、同じことを何回も言っているかも知れません。
会計の基本や、私の考えていることは変わらないので、ついダブってしまっているかも知れませんね。
ただ、途中から読み始める方もいるので、何回か同じことを違う表現で書いてもいいかと思いますが。
読者数は、ここ1年位はほとんど変わらないのでは?
以前は、読者数が増えればいいなと思い、まぐまぐさんに取り上げてもらったり、いろいろやりましたが、最近は、正直読者数にはあまりこだわっていません。
共感してくれる方が、長く読んでくれるのが嬉しいと思います。
それでもし良ければ、友人や会社の方に紹介してくれれば、いいなとそんな程度に思っています。
これからも、財務や経営者の考え方などについて、思ったことをそのまま書いていこうと思っています。
時には脱線していることもあると思いますが(そんな時は読者数が減るので、わかります)、それも自分であるので、しょうがないと思います。
是非、今後とも末永くおつきあいいただければ、ありがたいですね。
恐らく意地でも続けていくと思いますので。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
将来発生する負債も載せる
先週は、負債をすべて載せるということを書きましたが、今あるものだけでなく、将来に発生する負債も載せていく必要があります。
いわゆる引当金というものですね。
ただ、将来発生する負債をすべて載せることはできないですから、その内、当期にすでにその原因が発生しているもの、を載せます。
たとえば、賞与引当金がそうですね。
賞与は、通常7月、12月などに払われますが、それはどちらかというと、労働の後払い的な性格があります。
ある期間の労働や実績に対して、賞与は支払います。
たとえば、12月の賞与は、6月~11月の実績に基づいて支払うなどです。
そこで、8月決算の会社であれば、12月に支払う賞与のうち、6月~8月までは、既に賞与の支払い原因が発生しているわけですから、その3か月分、すなわち12月賞与の半分の金額を見込んで賞与引当金として負債を計上するのですね。
もちろん、賞与引当金の繰り入れとして、損益計算書にも反映されます。当期の費用になるということです。
近年の税法改正において、これらの各種引当金については、その費用計上が、損金として認められなくなってしまいました。
認められるのは、貸倒引当金、返品調整引当金くらいのものです。
上記の賞与引当金や退職給与引当金などは、損金算入が認められなくなってしまいました。
税法で経費にならないなら、わざわざ経費にすることないや、利益が減ってしまうし...
なんてことで、小規模企業ではこれらの引当金を積まない会社が多くなってしまいました。
税金の上では確かにそうですが、「会計を経営に活かす」という意味では、これではいけませんね。
先週も話したように、負債はすべて計上し、会社の純資産は厳しく見ておく。本当に儲かる会社、強い会社、伸びる会社を作っていくには、こういうことを厳しくやっておく必要があります。
実態を直視する、ということです。
そのためにも、是非、引当金は計上して欲しいと思います。
賞与引当金は、期間按分すれば大体読めると思いますし、退職給付引当金も、退職金規定があれば、簡単に計算することができます。
これらを見て、本当に会社の財務は健全なのか、判断する必要があります。
将来の負債を計上しないで安心していてはいけません。
そして、中小企業にとって一番忘れやすいのは、役員退職慰労引当金です。すなわち、社長の自分の退職金ですね。
これを計上しているところはなかなかありません。
まずは、規定がないということ(作ればいいのですが)、まともにやれば金額が多額になること、あまり、他人に見せたくないこと、自分が辞めたときは、会社がなくなるだろうと思っていることなど、いろいろ理由があるかと思います。
でも、将来もずっと続けていく会社であれば、是非、これも計上して欲しいと思います。
生命保険などで手当てする場合は、その保険料が引当金見合いになることもあるかと思います。
いずれにしても、ある時期まできたら是非検討して欲しいことですね。
編集後記
いよいよ子供たちも今日から新学期。
当社も9月から新年度ということで、心機一転また頑張っていきます!
メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0000119970.html