実践!社長の財務
会計とは、唯一の真実を表すもの【実践!社長の財務】第207号
2007.10.22
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
非上場の同族会社株を相続する場合に、80%の評価減をする案がいよいよ本格的になってきましたね。
これは大変な朗報だと思います。
非上場の同族株は、評価は高いがほとんど換金性がないので、相続の時には、常に問題になることです。会社が自己株として買うか、物納するか、なんていう対策も取らざるを得なかったのです。
事業を継続していくのに、本末転倒のようなことをしなくてはいけなかったのですね。
これが解消されるのは、本当に中小企業にとっては良いことです。
ただし、事業継続要件や従業員の雇用維持要件はつくようですね。これからの改正の動向を、見守っていきたいと思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
会計とは、唯一の真実を表すもの
このメルマガでも何度か紹介した、京セラ創業者の稲盛和夫氏の書いた会計の本「稲盛和夫の実学-経営と会計」を、週末改めて一部読んでみました。
もの凄いことが書いてあります。
私がこのメルマガでいう、「会計理念経営」の原点も、まさにここにあると思っています。
それは、まえがきの部分に端的に書いてあります。
陳腐な言い方ですが、私は下記の文章にもの凄い厳しさと経営に対する真剣さを感じます。同時に経営者や会計人に対する強烈な叱咤激励だと思います。
その部分だけ、原文のまま掲載させていただきます。
「真剣に経営に取り組もうとするなら、経営に関する数字は、すべていかなる操作も加えられない経営の実態をあらわす唯一の真実を示すものでなければならない。
損益計算書や貸借対照表のすべての科目とその細目の数字も、誰から見ても、ひとつの間違いもない完璧なもの、会社の実態を100%正しくあらわすものでなければならない。
なぜなら、これらの数字は、飛行機の操縦席にあるコックピットのメーターの数値に匹敵するものであり、経営者をして目標にまで正しく到達させるためのインジケーターの役割を果たさなくてはならないからである。」
これについては、もうコメントする必要はないと思います。じっくり何度か読んで欲しいです。
経営に関する数字は、唯一の真実をあらわすもの、なのです。
会計処理の仕方によって、数字が変わってしまうというのは、本来あってはいけないことなんですね。(自分勝手な操作は、もってのほかです)
会計基準は、いくつかの方法を容認しているけれども、その会社にとって、どうあるべきかの本質を突き詰めていけば、それは1つしかないのだろうと、いうことです。
会計基準を鵜呑みにして会計をするのではなく、その会社の実態は、真実はどうなのかということを、徹底的に追求して会計はそれをあらわさなければいけない、のです。
本当に厳しさを感じますが、そこまでやらなければ、本当の会計をやったことにはならないのだと思います。
上記のことばは、経営者として、会計人として、是非心しておかなければならないことですね。
編集後記
本当に寒くなってきましたね。ついこの間まで半袖だったのに...という気がします
風邪などひかないよう、お互い注意しましょう。
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