実践!社長の財務
考えのある会計処理をする【実践!社長の財務】第212号
2007.11.26
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
来年度からは、地方税の寄付金制度がいろいろ変わってきそうですね。
ふるさと納税は、自分の出身地や好きな地域に納税できるという、ちょっと面白い制度です。
それらの地域に対する寄付金から5,000円を控除した額を、通常の住民税から、1割を上限に控除できるという制度が検討されています。
5,000円は控除されますが、税額から引けますから、結局はその選んだ地域に納税しているということになります。5,000円は事務手数料みたいなものでしょうか?ちょっと高いですね。
その他にも、今までは所得税の課税所得から控除していた寄付金を、住民税の課税所得からも控除できるようにとの改正が検討されています。
日本は寄付金の割合が非常に少ない国です。文化的な背景もあるのかも知れませんが、やはり寄付金税制の遅れというのは大きな原因だと思います。
個人の寄付金がアメリカの1%しかない、というのはあまりに差があり過ぎますね...
ふるさと納税のように、やはり税額から控除してくれないと、なかなか寄付は進まないのかも知れません。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
考えのある会計処理をする
『会計理念経営』10カ条の続きです。
第3条 会計基準プラス本質を見る目で会計処理をする
・・・税法にとらわれず、実態をあらわす会計をする
・・・その取引の本質は何か、を考えた会計をする
正しい会計を行なうには、一般に公正妥当と認められた会計基準にしたがって行なう必要があります。
それは、企業会計原則であったり、会社法であったり、最近では、「中小企業の会計に関する指針」などが、公正妥当な会計基準とされています。
しかし、それを鵜呑みにするだけでは、正しい会計とは言えないと思います。
会計理念経営でいう「正しい会計」とは、その会社の真実の姿が表される会計です。
自分の会社の、現状の、本当の実態は、どういう状況なのか、これを会計で表すことが、目標です。
たとえば、減価償却などは、法定耐用年数に沿ってやっているけれども、実態はその耐用年数までは持たない、その前に入れ替える必要がある...
ということであれば、独自の短い耐用年数で償却したり、そもそも資産には載せずに、経費で落としてしまった方がよい、ということです。(税務申告では調整しますが)
また、先日も顧問先であったのですが、広告宣伝費は通常は発生した時の経費になりますが、長期間に渡り、かつ大きな金額のプロジェクトに関する広告宣伝費は、発生した時ではなく、そのプロジェクトの収益が上がる時に、対応させて落とした方が企業の実態に近いのでは?
というような議論がありました。
このように、会計基準だけではなく、個々の企業の実態に即した処理を、常に検討し、会社の真実の姿を表す努力をしていく、
それが正しい会計なのではないかと思います。
何しろ、この会計の結果を見て、経営者は重要な経営判断をするわけですから、考えのない、いい加減な数字を出すわけにはいかない、ということです。
編集後記
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