実践!社長の財務
売上と経費を連動させない【実践!社長の財務】第247号
2008.07.28
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
消費税率のアップは、どうやら来年も見送りになりそうですね。
ここ数年、ずっと言われ続けていますが、なかなか消費税率を上げることができません。もちろん、政治的な駆け引きもあるのでしょうが…
ただ、やはり、世の中が消費税率を上げるマインドになっていないと思います。
社会保険・年金の問題や、道路特定財源、ガソリンや資材の高騰、そして財政改革、もっと小さな政府でできるのでは? という国民の想いがありますから、そういうものがスッキリしない限りは、消費税をあげるのは難しいのでは? と私は思います。
そういう意味の、空気を読むのは、政治家は得意なんだな、とは思いますが...いずれにせよ、信念を持った真のリーダーが出現しない限り、上記の解決は無理なのでは、と思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
売上と経費を連動させない
ここ数回は、10%の経常利益を上げるために、ということで書いているつもりです。
業種によっては、この10%というのは、非常に困難な数字かも知れません。
とは言え、昨今では、あまり「業種」ということで区切らない方がいいかと思っています。
というのも、あっという間に違う業種に展開できることも可能な世の中になったから、です。
たとえば、卸売業をやっている会社が、いきなり全国を相手にした小売業に転換することもできるのです。
インターネットと宅配便のサービスが、全国津々浦々までカバーしてくれているからです。お金の決済方法も、代引きから、ネットバンキング、カード払い、など様々な方法を採ることができます。
販売代行やアフィリエイトその他、私も知らない様々な販促手法も様々用意されているでしょう。
これだけインフラが充実してきている世の中ですから、
「当社の所属する業界では、構造からいって、経常利益率10%は無理」
ということは、言えないと思います。
そして、経常利益率10%を目指すのであれば、「売上」と「経費」は分けて考えることです。
決して連動させて考えない方がいいと思います。
どういうことかと言うと、
「売上を上げるためには、経費もかかる。」
という思考をやめる、ということです。
この思考がある限り、経常利益率10%というのは、難しいと思います。
「売上を上げるのと、経費を増やすのは関係はない。」
「経費を増やさずに、売上を上げる方法を考える。」
ということですね。
もちろん、どうしてもかかる経費はあるかも知れません。
しかし、極力上記の考えを念頭においておけば、売上増を実現した時の利益率は、かなり高いものになってくるはずです。
「これだけの売上を上げるためには、人があと○人必要だ。」
「○○での宣伝や、○○キャンペーンをやらなければ、その数字を達成するのは、無理だ。」
「売上を増やすには、老朽化したこの施設の大規模修繕がどうしても必要だ...」
今以上の売上を上げようとすると、どうしても上記のような発想が出てくるものです。
特に、「これだけ頑張っているのに...」と思っている営業マンは、売上が上がらないのを、商品や環境のせいにしたがります。
「それがあれば、できるのに...」という、ないものねだりです。
そこで、本当にそうなのかを、考えることです。
お金をかけないで、売上を増やすことについて、
『もうやることはないのか?すべてやったのか?』という
ことです...どんなことでも、すべてやり尽くしたということは、余程でない限り、ないはずです。
すなわち、創意工夫、徹底して考える、調べる、試行する、ことです。まだまだ、やっていないことはあるはずです。
徹底して考え、その上で、かかる費用があるのであれば、それは使えばいいと思います。そこまで考えれば、成功の確率は高いだろう、と思うからです。
そのような繰り返し・積み重ねが、経常利益10%の会社になっていくのだろうと思います。
是非、上記のような思考でやってみてください。
編集後記
週末は、家族で伊豆の海に行ってきました。
土曜日は本当にいい天気で、顔は日焼け止めでかなり食い止めたのですが、子供との砂遊びに熱中するあまり、背中をやってしまいました。(笑)かなり、来ていますね...当面、寝にくい夜が続きそうです...
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