実践!社長の財務
改善工夫の積み重ね【実践!社長の財務】第251号
2008.08.25
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
オリンピック終わりましたね。
日本選手も頑張っていろいろ見どころもあったし、感動もしたのですが、何か物足りないな、という気がしないでもありません。
その1つが、やはりマラソンでしょうね。
マラソンは、日本人が好きな競技だと思うし、男女どちらかは必ずメダルにからんでいましたからね...
私が一番楽しみにしていたのは、マラソンだったかな、という気がします。とは言え、今回は野口選手が不参加になった時点で、ほとんど期待はしていませんでしたが...
それにしても、ヒドイ結果で(選手は頑張ってくれたと思います!)、したが、もうこれは底まで落ちたものと割り切って、次の大会からまた、マラソン王国日本を復活させて欲しいですね。
特に2016年を東京でやるのだったら、絶対に最後まで金を争って欲しいと思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
改善工夫の積み重ね
先日、大変利益率の高い製造業の会社に行ってきました。
経常利益率10%以上は、十分に達成している会社です。
自動車部品などを製造している会社ですが、自動車産業という大変厳しいコスト&品質を問われる業種の中で、10%以上の利益を出しているのですから、並大抵の会社ではありません。
その会社の利益の秘訣は(正直わかりませんが。笑)、徹底した改善工夫の積み重ねだと思います。
社長曰く、「ロボット(機械)にできることは、すべてやらせる。」、「作業は、ロボットの方が人よりも、確実に安定してやってくれる。」、「人は、ロボットを動かす段取りをしてくれればいい。」
ということで、やっており、会社創業の当初から上記の考えで、徹底的に生産性の高い工場を作ってきました。
いろいろな行程を見せていただきましたが、決してハイテクということだけではなく、様々なところに手作りの機械や、創意工夫がこらされていました。
「なるほど、こうやって不良品が選別されて、流れて、自動的に再利用するのか...」などと、感心しつつ、シロウトが見てても楽しかったですね。
この会社、300人ちょっとの会社ですが、工場の中、本当に人が少ないんですね。ロボットが勝手に動いていて、人はたまに見回りに来たり、一杯になった廃材の台車を移動させたり、次の作業の段取りをする、というような状況です。
高収益の会社を作るヒントを、いろいろ見せてもらえたと思います。
恐らく、常に創意工夫をしている、進化しているのだと思います。
機械でできること、人がやること、コンピュータをいかに使うか、を考え、今日よりは明日、明日よりは明後日と、少しずつでもいいやり方を毎日考えていくこと、
この積み重ねでしかないのかな、と思うのです。
それが、徹底したコスト削減と品質の向上につながっているのでしょうね。
そして、もっとすごい効果は、この徹底的に工夫している工場を、発注を検討してる自動車メーカーが見にくると、工場を見ただけで一発で受注が決まってしまうそうです。
毎日の改善工夫の積み重ねには、それだけのパワーがあるということですね。
これは、決して製造業だけではないと思います。
営業や物流、事務的な仕事などにもあてはまると思います。
特に人がかかわる部分ですね。
それぞれの部門の人の役割、今まで惰性で、慣習でやってきたこと、これらは本当に会社全体から見たら生産性が上がっているのか、その人がやるべきことなのか、コンピュータや外注や、部下や他の部署が工夫をすればできてしまうことではないのか、そもそもその仕事はどういう効果をもたらしているのか...
などなど、今一度、改善・変化を恐れずに、見直してみると良いのでは、ないでしょうか?それが、高収益企業への地道な取り組みだと思います。
しかし、最後に大事なのは、今回紹介した製造業の社長、本当に人を大事にする人だそうです。
長年やってきた社員、そして最も大事にしているのは、創業の頃から付き合ってきてくれて、助けてくれた、外注先の協力会社、これを本当に大事にしているようですね。
あまりに大事にし過ぎて、外注先が苦しくなると、勝手にお金をあげてしまったりして...それが税務署に否認されたりするものですから、私が行ってきたのですが...(笑)
そういうベースがあってこそ初めて、従業員の皆さんが、創意工夫をしたり、ロボットを改良改善、活用したり、そういうことができるのでしょうね。
最後は、人と人とのつながり・・・やはり、そう思いました。
編集後記
上記の続きですが、その社長が言っていたことで印象に残ったのは、
「ロボットの研修なんかは、その部門の従業員全員に行かせます。
1週間くらい泊り込みで。コストは確かに相当かかりますよ。
1人が研修に行って帰ってきてから、その部門の社員に教えるというのが一般的かも知れませんが、
それだと、講師役の従業員を超えることはできないんですね。
コストはかかっても、全員で行ってしまった方が、その部門の技術力は確実に上がります。皆で切磋琢磨して創意工夫しますからね。
これをわかっていない経営者が多いんじゃないか、と思いますよ。」
ということです。とても示唆に富んだ話だなと思いました。
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