実践!社長の財務
慎重な経営を!【実践!社長の財務】第257号
2008.10.06
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日の日経朝刊トップに出ているように、経営者に対するアンケートによる景況感の悪化は、相当ひどいですね。
国内主要企業の「社長100人アンケート」では、93.5%の社長が悪化していると答え、中小企業の社長が多い「地域経済500調査」でも、80.2%の人が、悪化していると答えています。
いずれも前回調査から急増しているとのこと。
感じとしては、この1ヶ月位に相当悪化した感がありますね。
もちろん、自社の業績や資金繰りに影響が出ているところも多いでしょうが、回りの雰囲気、気分、という心理的な面で、相当マイナスになっている面も大きい、という気がします。
景気というのは不思議なものですが、そのような集団心理的な要因から入って、それが実体にもなっていくような...そんな気がします。
ですから、回りの雰囲気に惑わされず、やるべきことをきちんとやっていく、「景気が悪いから・・・」なんて、あまり口にしない、浮き足立たず、地に足をつけて経営をしていくことが、今の時期、余計、大事ではないかと思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
慎重な経営を!
冒頭にも書いたように、景気の悪さが、具体的に表れてきている会社も非常に多くなってきていますね。
不動産業、建設業が厳しい...というような状況は、既に通り過ぎ、業種を問わず厳しくなっている感があります。
当社の回りでも、売上が思ったように上がらない、資金繰りが立ち行かなくなってきている...なんていう会社の話を聞くのが、多くなってきています。
これら苦しんでいる企業は、
もともと売上が横ばい、あるいは減少傾向だった、とか、経営者が高齢で、会社も衰退期に入っていた、とか、
事業そのものが、時代の流れに合わなくなってきていた、
というような会社ではない、ところが多いのです。
すなわち、経営者は前向きだし、会社にもパワーがあるし、方向性もいい。売上や拠点、社員数など、会社がどんどん大きく成長していた会社が、結構多いのです。
言ってみれば、成長志向、拡大志向の会社ですよね。
私としては、是非、応援していきたい会社なのですが、今の時期は本当に苦しいですね。
これは、あまりに積極性があるため、ちょっと慎重さに欠けているのが原因ではないかと、思っています。
事業を成長させるには、ある程度の大胆さが必要でしょう。やるべき時には、思い切って突進しなければ、機会を逸してしまうこともあります。社長しかできない、大胆な決断が必要とされます。
しかし、これは、慎重な計算がその裏になければいけない、と思います。その投資なりをして、どのように推移をしていくのか、動いていくのか、緻密に計算をし、考え抜いておく必要があるのではないでしょうか?
大胆な決断の裏に、そのような慎重な計算があるかどうか、これが、いざ決断が裏目に出た時には、大きくものをいうのでは?と思います。
万が一決断が間違ったとしても、こうこうこういうようにすれば、何とか会社は安泰である・・・というようなことを、あらかじめ考えておく必要があるでしょう。
今、苦しんでいる会社にそれがあるかどうか、これはまだ先にならないとわからないかも知れません。
しかし、最近つくづく思うのは、「慎重に経営をすることが、やはり大事だ。」ということです。
私はよくセミナーで、「臆病な人こそが財務体質の強い会社を作る。」と言っていますが、今の時代、これは正解だったと思います。
臆病な人が、慎重に考えて「よし、これは行けるぞ!」と思った時に、大胆に行動に打って出る、こういう姿勢で経営をしていけば余程のことがない限りは、最悪な状態にはならないはずです。
「よし、行けるぞ!」と確信できないのであれば、無理に会社を大きくすることはないと思います。
小さくても、いい仕事をする会社は、たくさんあるのですから...
編集後記
昨日、日曜日は、最後?の運動会観戦でした。下の子が小6ですから、もうこれで最後かと思うと、ちょっと寂しいですね。
中学は平日にやるので、多分行けませんので...気合を入れて、6時半に席取りに行ってきましたよ!(行かされた・・・というのが正しいですが...)
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