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ダム式経営が、やっぱり重要!【実践!社長の財務】第262号

ダム式経営が、やっぱり重要!【実践!社長の財務】第262号

2008.11.10

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

トヨタの今期の営業利益の見込みが、74%減という発表が先週あり、ビックリしました。
GMやクライスラーも苦しんでいるように、アメリカでの販売が急減し、円高も加わって、相当の減益要因になっているようですね。

74%も利益が減ってしまうと、計画していたことをかなり変えざるを得ない、というか対策に大わらわだと思います。相当の努力を見込んだ結果として、74%と言っているのでしょうから...

そして、もう1つ驚いたのは、74%減ってもまだ利益が6,000億円もあるということ...さすがに、日本一の企業です。
(計算すれば当たり前のことなのですが、何せこんなに大きな金額は普段接していないので・・・ビックリです。)

ただ、下期は200億円くらいの利益で、トヨタの規模でみれば、ほとんどトントンということで、ヘタすれば下期赤字の可能性もあるのでは? という状況であり、やはり大変な経済環境だという気がしますね...
 
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
 

ダム式経営が、やっぱり重要!

冒頭のトヨタのように、本当に今は大変な時期です。
自動車大手7社だけで、2.8兆円もの営業利益が減り、これは全上場企業の営業利益の1割に相当する規模だそうです。

自動車産業は、裾野が広いですから、日本経済に与える影響は大きいです。
当社の顧問先にも、部品関連のメーカーがありますので、ちょっと心配です。

同様に、建設・不動産業も裾野が非常に広いですが、こちらも暴風雨の状況です。

日本のかなりの業種の会社が、今は耐え忍ぶ状況なのかと思います。

そこで、やはり重要なのが、松下幸之助氏が提唱した「ダム式経営」です。

好景気で事業が好調な時には、ダムに水を貯めるように、利益を着実に内部留保し、無駄遣いをせずキャッシュを十分にストックしておく。

そして、いったん不景気になって、事業が思わしくなくなってきた時には、ダムの門を少しずつあけて水を供給するように、蓄えた資金で不況を乗り切っていく。

このような「ダム」の機能と同じようなことを、経営においてもしなくてはいけない、余裕のある経営をしなければいけない、というのが松下幸之助氏の言っていることです。

不況になってからでは遅いのですが、不況になって苦しまなければ、また、わからないというのも、多くの経営者ではないでしょうか?

ですから、今苦しんで何とか苦境を脱したならば、是非、これからは「ダム式経営」を目指して欲しいですね。

どうすればできるのか? については、松下幸之助氏の講演を聞いて稲盛和夫氏が、体に電流が走った、という

「そう思わなければ、できない。」
「そう思えば、できる!」

これしかないでしょうね。「ダム式経営」をやろうと思うか、どうかです。

コツは2つです。
「コツ、コツ」です(笑)。

会社の場合、急にダムの水は貯まらないのです。(自然界とは若干違う?)
 
毎期毎期、利益を上げる中から、少しずつキャッシュをストックしていく、ことです。

利益をすべて、キャッシュで残すことは難しいですね。
借入の返済であったり、投資であったり、在庫であったり、未回収であったり・・・

でも、できるだけ資金を増やす方策を、それこそ、数年かけて作っていくこと。
少しずつでも、資金化の条件を改善していくこと、この積み重ねによって、ダムに水を蓄えていくことができるのです。

本当にそう思います。
普通の会社は、長年かけて、いざという時に使える資金を貯めていくしかない、ということです。

だから調子に乗らず、経費節減も必要でしょうし、使えるものを長く使っていくことも大事なのです。

是非、このコツ2つを胸に刻んでいただき、「ダム式経営」に邁進して欲しいと思います。

編集後記

先週から急に寒くなってきましたが、皆様風邪などはひかれていないでしょうか?もう11月も中旬で、今年もあと1ヶ月半ちょっとという状況になってきましたね。

既に忘年会の日程押さえや、連絡などの時期でもあります。
私の夜のスケジュールもずい分埋まってしまいました。
これからそれを乗り切るための体調管理をしていかないと、とは思うのですが...特に最近、飲みすぎに注意ですね。

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